煌めきの先を紡ぐもの 〜KING OF PRISM新作制作決定によせて

■『KING OF PRISM by PrettyRhythm』公式
http://kinpri.com/
▼前回(公開当時)エントリ:映像を超えた煌めきの世界へ ~KING OF PRISM by PrettyRhythm鑑賞を終えて
http://amytis.main.jp/blog/?p=4575

2016年9月11日に開催された「KING OF PRISM Over The Rainbow SPECIAL THANKS PARTY!」。それは去年から始まったプリズムの煌めき復活の始終を巡る、フィナーレイベントでありました。他の方がどう感じたかはともかく、自分としてはそのように受け止めています。
全国2万人が同時に応援上映するその最中で胸に去来した、ここに至るまでの思い出。個人的なエピソードにて振り返ります。

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(2015/07/20)
▼劇場版の裏話&『プリティーリズム ディアマイフューチャー』の映像化も! 『劇場版プリパラ み~んなあつまれ!プリズム ツアーズ』踊る! アイドルおうえん上映会レポ
http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1437790143

今に直接繋がる流れのひとつ。
通常、おうえん上映とは映画館で着席しながら楽しみましょうという主旨であるところ、渋谷のクラブハウスを借りるからオールスタンディングかつ踊りもokにするという何とも豪気なイベントが去年の夏にありました。クラブハウスの方も「うちのところでこんなのやるの初めて」と仰っていたくらい異例の組み合わせ。
とても楽しかったその様子はプリズムツアーズ円盤特典として記録されていたりもするのですが、これの帰り際にアンケートがあり、そこには「プリティーリズム男子のスピンオフがあったら、どのくらい観たいか?」といったような設問があったのです。
今結果論で言うなら、ここでキンプリ企画のための数字を探ろうとしていたわけですね。10回以上は観ますと回答した記憶があります。

とは言うものの、このプリズムツアーズをもってプリティーシリーズはプリティーリズムからプリパラへとバトンタッチを終えており、どんなに冷静に考えても終わったはずの先代を別個動かすなどということが容易ではないのは素人目に見たってわかる話でした。まず何より後継作を先代が邪魔すると本来のターゲット層が混乱します。その後継作も先代以上に好調な数字を記録しており、わざわざ先代を引っ張り出さなくても良いくらいに成長していました。だから「あったらいいですね、そのうち」くらいの印象で…。
イベント中、参加者から菱田監督へ「プリティーリズムは終わらないですよね!?」と質問がありましたが、あるとわかって言ったのではなく本当に願望ただそれだけで投げかけた質問でしょう。誰だって終わって欲しくない。でも現実がそんなに簡単でないこともわかっている。
実はこの時菱田監督は少しだけほのめかすような発言を残しているのですが、よもや数ヶ月先に本当に待っているとはまだ知る由もありませんでした。


(2015/10/04)
▼劇場版公開のサプライズ発表に大歓声! プリティーリズム「エーデルローズ入学説明会」レポ
http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1443956511
▼最終回からやる気まんまんだった!?  Over The Rainbowが主役の劇場アニメについて監督たちに聞いてみた
http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1444113355
▼「エーデルローズ入学説明会」キンプリサプライズ発表の模様


このイベントはキンプリの制作発表会でありながらそれを完全に伏せ通し、Over The Rainbowのファンディスク発売記念イベントの体を装ったものでした。
サプライズ発表における会場の様子が全てを物語っています。動画を明るくしてよく見てみると、頭を抱えてる方もいます。でもそれはごく普通の反応。2014年に終わった筈のプリティーリズムに2016年とつけられる、あるはずのないことが起きているからこその動揺なんです。
嬉しいより先にまず正気を疑いまいたね。avexやること普通じゃないと常々思ってたけどこれほどまでとは。


リンク先の記事中で菱田監督が手にしている黄色の大きな花束は、友人発案のもとウチが贈ったものです。菱田監督に花束贈ろうぜ! くらいの軽い気持ちで、色も折角だからエーデルローズっぽくするかーと思ったらまさかの制作発表記念に。江戸川橋のお花屋さんありがとうございました。


(2015/12/22)


映画公開より18日早く行われた試写会。倍率は25倍だったそう。
この倍率は「低すぎる」もので、やっぱり駄目かと思い始めたのもここから。倍率の数字は一見立派ながら、試写会会場は25組最大50名だったので、この日東京某所に出て来ることの出来る人数を考えたとしても応募数600強というのはあまりにも頼りないものでした。都心ですらこれでは劇場がスッカラカンになるのでは…それを覆す数字が見当たらない。
しかし目の前で繰り広げられた映像はどうしようもないほどプリティーリズムで、疑いようのないプリズムの煌めきだったのです。詳しくは前回エントリへ。



映画公開前ニコ生は、試写会が行われた同日のこと。
これを知らずにあの映画を見ると普通に続きが決まっていると感じるはずです。いやーavexも思い切ったことしたものだなあと悠長に考えながら帰宅してニコ生を見たらこれだった。あれは当時時点では一種のウソ予告だった。菱田監督のコメントには頭を殴られるような衝撃を受けました。そう、やはり現実は全く甘くない。

公開までネタバレせずに黙る18日間は非常に苦しいものでした。一度終わったはずの煌めきが再び広がる可能性をこの作品が秘めていることへの確信、一方で一般公開前であったため「プリリズは女の子あってこそでしょう」と言った声に対しての反論の出来なさ。監督の語る崖っぷちの現況。可能性に確信は持ててもそれが実現するとは限らない現実の厳しさ。そんな思いがどこにも誰にも出すことが出来ない。
しまいには自分の中でぐるぐるさせるあまり本当に具合が悪くなり始めてしまい、苦しさから逃れるために書いたのが、一般公開後最速に近いタイミングで公開した前回のエントリとなります。
ですが、菱田監督の語る崖っぷちの状況にその時点で奇跡は起きようもなく。本当に苦しかったのはこの後だったのです。


(2016/01/09以降)
正確な数字こそ取れないながらも動員傾向はある程度追いかけていたのですが、途中で追うのをやめようかと本気で考えたりもしていました。もう本当に全然人が入っていない。
制作陣のエピソードで「2週目まではお通夜だった」と語られるその実態は、公開4日目で早くも初日比8割以上減の急落、平日はそのまま持ち上げることが出来ず、週末で前週比7割くらいまで戻すも平日になってまた死体蹴り。1/19が底といったようなものでした。つまり既存ファンが自分の行ける範囲で頑張って行っている、ただそれだけだったのです。平日観に行ける人がいない。都心ならまだマシであっても、都心から離れるほど悲惨になる数字。

話題が話題を呼び前週比がひっくり返り始めたのは1/20から。しかし人入りが増えたからと言って映画館は急激に予定を変更出来ません。更に原則3週間公開予定で2週目以降は上映回数自体が減ったことから、激減した時期の分を取り戻すのはもはや不可能とさえ思われました。
結果は多くの人が知る通りです。上映を終了する映画館が出る一方で、avexのスタッフが必死で上映館を増やし、話題を聞きつけ興味を示す人が映画館に訪れ、SNSで拡散し、その間に上映館がまた増える…そうして綱渡りを渡りきったのです。
公式も話題を切らしてはならないとばかりに何がしかを告知し続け、1/23と2/20にはレインボーライブもあわせオールナイト上映が開催されました。特に2/20は所謂「プリズムダイブ」回が含まれており、おうえん上映でありながら悲痛な展開に劇場内が完全に静まり返る、貴重な体験だったと思います。


(2016/06/18)
▼劇場アニメ『キンプリ』が、4DX(R)シアターで上映!? 大阪での舞台挨拶も決定し、観客動員数は36万人突破!
http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1463707391

キンプリが劇場公開された週明けのこと。その余りの煌めきに体感者たちは「これは4DXがあったら面白いのではないか」と勝手に妄想を始めます。ちょうどこの頃ガルパン劇場版が4DXをやるかもという話が出始めたからですね。
とは言うものの、先に述べた通り現実の興行成績は急落している真っ最中。妄言も甚だしい只の寝言が、あれよあれよと興行収入が伸びてまさかの実現。実に正しいお金の使われ方でありましょう。

制作陣により演出の追加も行われたその内容は1時間の映画で泡が10回以上出るという超密度の煌めき体験で、キンプリ4DX以上の頻度で泡を出す映画は他にありません。それは煌めきが遂に物理となった記念日でした。
この頃にはキンプリでの成功例を受けてか他作品でも応援上映がよく見受けられるにようなりつつも、後続を引き離さんとばかりに4DXへ応援上映を掛け合わせる前代未聞の企画も実施。「とびだすプリパラ」の立体視おうえん上映の時もそうですが、組み合わせることは出来るけど本当にやっちゃうのがavexです。どっちも凄かったけど、正直組み合わさると応援の方が疎かになるのは否定出来ないところですね…(笑


(2016/08/15)
▼『シン・ゴジラ』発声可能上映 実施決定!
http://www.shin-godzilla.jp/news/news_160808_1.html


声を出して良い上映形態はキンプリの専売特許ではありません。キンプリ以前のプリティーシリーズでもやっていたし、それより更に前にやっていた作品もあります。しかし「応援上映? ああ、あれね」とわかる程度に知らしめた立役者は間違いなくキンプリと言って良く、キンプリのヒットがなければ日本が世界に誇るゴジラで声出し上映が行われる日が来ることはなかったと思います。

ゴジラを応援したかと思えば自衛隊を応援し、ヤシオリ作戦で始まるイッキコールが面白すぎて、エヴァンゲリオンでお馴染みのあのテーマが流れればリズムにあわせて手拍子する。作品本来の主旨から相当外れた楽しみ方ではあるものの、これはこれで楽しみ方の一種としてはアリです。
「キンプリがとんでもねえ方向に世界線を曲げてしまった」そんな1日。近くキンプリに続きゴジラでも全国同時多発発声可能上映が実施されます。参加する方は思い思いに楽しんで下さい。マナーと心配りは忘れずに。

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これだけのことが1年と少しの間にありました。
当初は円盤さえ出ないことも覚悟しました。事実プリティーリズムの劇場版は当初円盤化の予定がなく後で決定されたものだし、プリパラも「とびだすプリパラ」は円盤化の予定が今に至るまでありません。avexは映画になれば必ず円盤を出してくれる会社ではないのです。サントラ発売を望み、円盤化を望み、そして「映画としては単体で完成しているが物語としては完成していない」続きを望む。無謀過ぎる苦難の連続。急激な規模の拡大に、公式の対応が後手に回った時期もありました。

多くの人が新しく煌めきの世界に触れたおかげで今があります。
Over the Rainbowの3人を呼ぶことが出来、1年前は200人で祝った制作発表が1年後には全国2万人で祝えたこと、本当に幸せなことと思います。苦しい1年だったけど、1年という期間は煌めきにより世界の見え方さえも変えてくれたかも知れません。これらを振り返りながら見るイベントで泣かないわけがないんですよ。色々ありすぎたんだもの。
レインボーライブ女子がイベントで声の出演をしていたことも、これが復活の一部始終であったことの意味を今一度強くするものです。キンプリはレインボーライブあってこそのもの。レインボーライブはプリティーリズム・オーロラドリーム/ディアマイフューチャーがあってこそ成り立ったもの。過去から紡がれるそれぞれがあって、今がある。

当初から想像も出来ないほど規模は大きくなったけど、それでもこれはプリティーリズムなんです。公式も声優陣もずっと忘れていない。それがわかる良いイベントだったと思います。ここまでの始終を巡るフィナーレとしては、仮に新作制作発表がなかったとしても完璧だったと言える内容でしょう。

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かつてレインボーライブ50話で、彩瀬なるは奇跡を起こしました。
世界からプリズムの煌めきが失われ、プリズムショーシステムが停止し演技がまともに出来る状況でなくなっても、煌めきはすぐそばにあると信じて諦めず演技を続けた。結果プリズムライブは再発動し、人の手により世界はプリズムの煌めきを取り戻します。

奇跡は現実にも起こされました。筋書きもほぼその通りに。いつかまた、終わりは必ずやってきます。ただしそれは少なくともここではなく、煌めきは過去から現在を経て、未来へ。
人の手によって本当に奇跡が起きることを知った経験は、その人の将来へ何らかの影響を及ぼすことさえあるのかも。プリティーリズムとは、映像作品を超えて生き様そのものなのかも知れませんね。

▼劇場版「KING OF PRISM-PRIDE the HERO-」制作決定告知映像

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