それからのヴァナディール[星唄 接触編]

■ファイナルファンタジーXI 公式
http://www.playonline.com/ff11/

拡張ディスク「アドゥリンの魔境」が発売されるとほぼ同じ頃から再び休眠していました。
ちょうどこの頃に業務負荷が上がり始め、また休日に差し込まれる用事も増えて「平日に準備して休日に身内でまとめてやろう」といったようなことが厳しくなってしまい、それは今でもあまり変わりはありません。しかしそうこうしている内に、FF11始まって以来の大ニュースが発表されます。

■14年におよぶ物語は最終章へ 『ファイナルファンタジーXI』開発者にヴァナ・ディール プロジェクトを訊く
http://www.famitsu.com/news/201504/09076211.html

これが最後。
運営自体は続くけど、仕組みとして新しいものは以後提供されなくなる。もちろん新しい物語も。後に続くのは変化のない、いつか閉じる黄昏の時代。
賢明に判断するなら、先がないものに付き合う必要はありません。終わるのわかってるんだから時間の無駄だし、未来ある方へ進むべきでしょう。でも自分がFF11で残して来た思い出はちょっと強すぎて、割り切ることが出来ずおよそ2年ぶりの再開。


こちら今回のヒロイン、イロハさん。未来のひんがしの国出身。
彼女が冒険者へ弟子入りして暫くした頃、ヴァナディール全体を「濃霧を超えた泥海のごとき闇」が包み、人も神もなすすべなく世に終焉が訪れたとのこと。それを嘆き悲しんだ女神アルタナが、イロハを過去の世界に送るところから物語は始まります。

この未来分岐を巡るパターン、初めてではありません。過去に二度、大きな分岐点を冒険者は経験しています。
ひとつは拡張ディスク「プロマシアの呪縛」最終決戦にて、男神プロマシアに勝った世界ヴァナディールと、負けた世界アビセア。「禁断の地アビセア」「アビセアの死闘」「アビセアの覇者」では、パラレルワールドを飛び越えて助けを求めに来た声に応え、似て非なるもうひとつの世界を救う冒険に出発します。
もうひとつは拡張ディスク「アルタナの神兵」で語られた真実。ヴァナディールという世界は本来20年前の水晶大戦で獣人軍に敗北(黒き未来)しており、それを悲しんだ女神アルタナが過去に干渉し水晶大戦に勝利した「白き未来」へと改変させます。つまり冒険者が活躍する白き未来側は偽史だった。でもそんなことしちゃったもんだから黒き未来の人らが消えることになって「こっちが正史なのに!」と未来争奪戦を繰り広げたのでありました。

今回の「濃霧を超えた泥海のごとき闇」というのは何となく、ヴァナディールのサーバが未来において閉じることに引っ掛けているメタ展開のようにも感じます。

「世界を滅ぼす闇が訪れる未来は既に決まっている。でもその闇と戦う未来はまだ決まっていない」
「普通の戦士は皆、その旅の半ばで疲れ、諦め、足を止めてしまった。しかしあなたは歩み続ける強さを持っている。何度か立ち止まったとしても…」

これらはそのまま、現役者・引退者に置き換えることが出来やしないでしょうか。なんていうかこう、グサグサ心に刺さりますね…。

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さて、復帰にあたり頭を悩ませるのが「人」と「装備」ですが、これらについてはこの2年で驚くほど利便性が向上したようです。
まず人。フェイスという魔法が追加されました。


画面写真見れば一目瞭然、これを使うとNPCが呼べます。キャンペーン限定配布キャラがかなり多いものの、それ以外で今から集められるだけでも30キャラ前後は獲得可能。ナイト盾・忍者盾やトレハン持ち、詩人、狩人、白魔、黒魔などなど冒険に最低限必要そうなジョブは大体揃っており、しかも思考ルーチンが賢い。詩人とか、マーチの効果が切れるそのタイミングでちゃんと次をかけ直してくれたりします。
通常設定で3人まで、今回の「ヴァナディールの星唄」第一章を進行させることで4人まで…つまりソロなのに5人PTまで組めちゃうわけですね。経験値はソロ扱いのままなので、火力や持久力がいきなり数段上昇したようなものです。

次に装備。すごく雑に装備の一例を挙げると


拡張ディスク「アドゥリンの魔境」時代を知らないと「なんだこれー!?」みたいな強烈なプロパティの数々、これらがほとんど労力なしで入手可能です(もちろん後衛向けセットも有)。
エミネンス・レコードなる、敵を○匹倒せとか目標を達成すると専用ポイントを獲得出来るシステムが実装されていて、これらの装備はそのポイントを交換することで得られるものになっています。で、そのポイントを稼ぐ中にアチーブメントの項目が用意されていて、ここにはどのジョブを○○まで上げた・ミッションをどこまでやった等のようなものがいっぱい。これを過去の栄光じゃーとばかりに片っ端から解禁させていくと、上記のような防具と武器をセットで揃えるくらいには余裕で賄えてしまうのです。それこそ知ってれば復帰15分でも可能。

これだけ底上げされれば、過去に実装されたコンテンツ程度であればオフラインRPGに近い感覚で遊べてしまいます。例えば、


発売当時休眠期間中だったので全然進んでいなかった拡張ディスク「アルタナの神兵」のミッションが、3日程度でコンプリート出来ました。負ける要素がどこにも見当たらないくらいの楽勝さ加減です。


大昔は70人とかで突撃し集団行動で攻略していた裏世界デュナミス。4年前に仕様が変わって少人数やソロでもアイテム集めが可能になりましたが、今はこちらの装備が強すぎるためフェイス呼び出し不可ながらも恐ろしくカジュアルに。

といった感じで「人」と「装備」は、他人の手を煩わせることなく一定の水準までは簡単に引き上げることが出来ます。「ヴァナディールの星唄」も開発曰く推奨アイテムレベル117だそうで、上記でもう達成されていますね。それほど「今から出来るかなあ?」と悩む必要はあまりない感じです。
復帰のしやすさで言えば、Lv75時代よりもアビセアLv99時代よりもよほど敷居は低く、むしろ今こそが復帰最大のチャンスとまで言えるような気がします。そりゃまあ、最新バトルコンテンツまで行ってしまうと多少の装備充実は頑張らないといけないのでしょうが、そこまでしなくても出来ることがかなり増えている。

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本来は、MMORPGでひとり遊びが出来過ぎてしまうことはあまり良いことではありません。多くの人が同じ世界の上で生きている意味がなくなってしまうからです。でもFF11は「それはもういい」んじゃないでしょうか。今まで十分過ぎるほどに他人との協力を要するコンテンツが山のようにあり、何よりこれからはPTが組みづらくなっていくことでしょうから、これでいいんだと思います。
長い蓄積と調整の果ての着地点としては「悪くない」。それが星唄復帰でのファーストインプレッションです。


今から干支一回り以上前、駆け出しの冒険者だった頃。
ウィンダスを飛び出し、船を襲うモンスターに怯えつつ辿り着いたラテーヌ高原で初めて見た虹。コンシュタット高地に溢れる緑。ザルカバードの厳しい自然。世界が生きていることに心の底から感動し、「この世界が閉じるのをきっと見届けよう」と思ったことを強く覚えています。今に至るまで休眠から復帰の原動力は毎回それです。当時感動した自分を裏切ることはどうしても出来なくて、こうやってまた戻ってくる。

昔ほどの活気は無いかも知れません。でもよくよく考えてみれば最初の冒険も自分1人、今の活動も1人。当時と違うのは移動出来る範囲も、出来ることもとても増えたこと。
拡張データディスク「アルタナの神兵」ウィンダスクエストのエンディングでは、こんな一節があります。

身果て、魂つきようとも、
想いと記憶は、大地に還り
世界はいつまでも、君を覚えている。

歩けばそこには、思い出が大地と共に。何度も何年も往来した場所にはその時々にドラマがあって、大地が道順さえも手に思い出させてくれる。いつまでも覚えていてくれる世界は、まだ閉じてはいません。
今なら、昔出来なかったことが色々出来そうな気がしてきます。というか実際に出来ます。残された黄昏の時代を思い出と共に生きるのも悪くない。そんな風に思うのです。それだけのものをヴァナディールはウチにくれました。思い出を糧にしたくらいじゃまだお釣りが来てしまうくらいには。

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もし少しだけでも、ヴァナディールに思い残すところがあるのなら。
おかえりと言ってくれる人は残っていなかったとしても、覚えていてくれている世界はまだ待っています。

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