横浜に女神の歌が響き渡った日──Walküre 2nd LIVE「ワルキューレがとまらない」

1月 30th, 2017 No Comments »

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■戦術音楽ユニット・ワルキューレ 2ndLIVE「ワルキューレがとまらない」
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▼【前回記事】今再び始まる、共に成長する物語──Walküre Attack!(2016/08/14)
http://amytis.main.jp/blog/?p=4751

初めて「いけないボーダーライン」を聴いた時。
その声が収録時14歳という、マクロスシリーズ歴代最年少歌姫の声によるものと知った時。
とてつもないことになる予感を覚えた。

そして川崎のフリーライブで驚異の歌唱力を目の当たりにし、1stライブツアーでは5人によるノンストップかつ複雑なコーラスワークが織りなす圧巻の歌声とパフォーマンスの直撃を受けた。
あまりにも強烈な印象。その上で2ndライブに行かない等という選択肢は到底ありえない。
ワルキューレを信じて横アリに来たのだ。



1日目。
会場に入るとステージはWの形に階段が組まれている。上を見れば照明の鉄骨もWの形になっている。
前中後と3つに分割されたセンターブロックで、席は後方センターの前から2列目真ん中。ステージから近いとは言い難いものの、横アリ自体そこまで大きさを感じる施設ではない。見る分には特に問題はなかった…が、開演間近となった時スタッフが柵を観客席側に寄せ、コの字型に幅広の通路が形成される。その幅広通路からの距離は約3~4m。
1stライブツアーではzeppという会場の都合、トロッコはなかったのだ。マジか。マジなのか。


間もなくステージは開幕を告げる。「ヴァールシンドロームを抑えるためのワクチンライブとして地球にやってきた」というコンセプト自体は、前回と変わっていない。作中同様美雲とフレイアによるダブルセンターが歌唱力をもって体現されていることも、また全員がCDと同じコーラスワークをそのまま織り上げるのも変わりない。今回ライブタイトルが「ワルキューレがとまらない」となっているが、そのステージングがほぼノンストップであることも前回時点で既に完成されていたものである。
過去にワルキューレのライブに参加したことがなければ、これらの要素だけでまず度肝を抜かれることだろう。去年の8月の自分がそうだった。だが今回はそこから先へその全てが、大幅にパワーアップしていた。

まず楽曲数、公演時間は共に前回の1.5倍以上となった。セットリストは挨拶を兼ねた「ようこそ!ワルキューレワールドへ」から始まり、直後「Hear The Universe」で一気にトップスピードへ。そのままの勢いで、2クールアニメにしては異様に多い歌曲群のΔオリジナルに関しては殆どを披露している。特に序盤においてはエースボーカルJUNNAちゃんにかかる負担のキツい曲が続いたが、それでも彼女は全くブレることもなく歌い上げ続けた。なんということか。ポテンシャルが恐ろしいどころではない。
若干増えた気がするMCも本当に若干でしかなく、かなり少ないことには変わりはない。休む暇は殆どないようなものだった。そして休めないのは観客や演者だけではない。今回は西脇辰弥氏をバンマスとした4名による生演奏が加えられており、歌曲がノンストップで進行するということは演奏する側までもが休めないということだ。正気の沙汰ではないとまで言われるコーラスワークが難しければ、これを生演奏で行うことも強烈に難しい。
そんな圧倒的なパフォーマンスが開幕から繰り広げられていく。

ライブは幾らか進み、中盤ではスクリーンにハインツが映し出され、高らかな歌声が会場に響き渡る。
ワルキューレメンバー着替え中の演出かと誰もが思っていただろう。しかしそんな生ぬるい展開で済むわけがないのがワルキューレ2ndライブ。なんとハインツの歌を担当するメロディー・チューバックさん本人が登場した。キャラクタが映し出されている時からずっと生声だったのだ。あれって本当にそのままあの声なんだな…と思わず聴き惚れる。
トロッコは途中、ワルキューレ全員・マキナ・レイナ/マキナ・フレイアで計4回ほどやって来た。センターとは言え後方だった席が一瞬にして神席へひっくり返る。あの圧倒的歌唱力を備えた5人が目の前に。大阪まで遠征したあの時よりもっともっと近く。夢かと思った。大変な席を引いたと思った。

そのまま駆け抜けアンコール。アンコール前の掛け声が長引かない内にハヤテ役内田雄馬さんとミラージュ役瀬戸麻沙美さんが登場し、場を必要以上に盛り上げやっぱり休めない。インメルマンダンスも披露する旺盛なサービス精神だ。
そんな一幕の直後、会場のボルテージは更に突き上げられる。中島愛さんが登場、フレイア&ランカ・リーによる星間飛行デュエットが実現したのだ。実は「もしかして中島愛さんが来るのでは?」との予想はチラホラ聞こえてはいたものの、願望めいたものであり本当にやって来るとは自分は正直思っていなかった。憧れの人とのデュエットは声質も息もぴったりだった。
歌ハインツに留まらないサプライズ、これがワルキューレ2ndライブ。初日から何ということをしてくれたのだ。
泣いた。


全28曲約3時間半。余りにも強すぎるパワーとセットリストに1日目でこちらの喉は半壊。もちろんAXIA披露後はありったけの声で「メッサーー!!」と叫んだりもした。

夢のような時間があっという間に過ぎる。でもまだ明日がある。
元々この2ndライブは1日日程だったところが拡大され2日目が用意された経緯があったが、正直1日目でサプライズを出し切ってる感さえあった。明日はゲストどうするのだろうか。これ以上があり得るのか。出るなら誰が?
期待を胸に横アリを後にする。


▼1日目セットリスト
01.ようこそ! ワルキューレ・ワールドへ
02.Hear The Universe
03.不確定性☆COSMIC MOVEMENT
04.NEO STREAM
05.Absolute 5
06.LOVE! THUNDER GLOW
07.いけないボーダーライン
08.ジリティック♡BEGINNER
09.おにゃの子☆girl
10.Silent Hacker
11.ワルキューレのバースデーソング
12.God Bless You
13.風は予告なく吹く
14.涙目爆発音
15.AXIA~ダイスキでダイキライ~
16.GIRAFFE BLUES
17.オーラ・サーラ~光る風~ (GUEST:メロディー・チューバック)
18.ザルド・ヴァーサ~決意の風~ (GUEST:メロディー・チューバック)
19.僕らの戦場
20.Walküre Attack!
21.破滅の純情
22.絶対零度θノヴァティック
23.一度だけの恋なら

En1.星間飛行 (GUEST:ランカ・リー=中島愛)
En2.ワルキューレがとまらない
En3.愛・おぼえていますか
En4.恋! ハレイション THE WAR

WEn.ルンがピカッと光ったら





2日目。
前日の公演内容を知ってか、始まる前から会場の熱気とテンションが非常に高い。席はセンター中央ブロック通路真横。トロッコまでの最接近距離は昨日から更に半分。
この日は同行者がおり、また2日目だけ参加の知人が何人か居るのを知っていたので彼らのためにも一切ネタバレは控えていた。歌唱力から何から何まで、純粋に楽しんで欲しいため。

1日目でもかなり高かった会場のテンションは、2日目は序盤から振り切れていた。メロディー・チューバックさんはこの日もゲスト参加。同じく2曲を披露する。が、13曲目まで変更のなかったセットリストがここで変わり、14曲目で涙目爆発音が飛ばされたことに違和感を覚える。順番を入れ替えただけか?
JUNNAちゃんが単独で出て来て星の歌を歌い始める…と思ったら、その後なんと声の美雲を担当する小清水亜美さんが登場、ここにW美雲の歌唱が実現してしまった。小清水さんは美雲同様に青いメッシュを入れる気合の入れ方である。

「こんなのありかよ…なんだそれ…」と狼狽えるも束の間、ストーリー上美雲と入れ替わる形でワルキューレを脱退しOBとなったクレアこと日笠陽子さんまでもが飛び出して来た。衣装は現ワルキューレメンバーとお揃いだ。
そのまま歌いだした。さっき飛ばされていた涙目爆発音を今日はクレア入りの4人で披露する。日笠さんも他3人と息があった振付を見せる。この1曲のために衣装が用意され、振付の練習をしたというのか。本当に意味がわからない。
これには完全にやられた。あまりのサプライズに、自分はその場に崩れ落ちた。


アンコール前では昨日の2人とは違って、空中騎士団の面々が登場。
「おのれワルキューレ!」とか言いつつちゃっかりTシャツはワルキューレであり、応援までする始末である。面白すぎてとても休ませてなどくれない。
ここでひとつ書いておかねばならないことがある。1日目と2日目でアンコールの掛け声が変化していた。1日目はアンコール前が「アンコール!」で、Wアンコール前が「もう1回!」。2日目は「アンコール!」と「ワルキューレ!」に変化していた。

マクロスFとの大きな違いに、今回はユニット名が最初から付いているという特徴がある。登場人物が何かする、ではなくユニット名を設けられているということはそれが話の軸になっているということだ。この存在は非常に大きく、TVシリーズ最終回のサブタイトルも「永遠のワルキューレ」となっている。マクロスΔはロボットものという伝統を維持すると同時に、ワルキューレを軸にした物語なのだった。
そのユニット名をみんながコールしている。ユニット名がつけられた意味を観客が形にしている。最高だった。
残りの歌曲も5人は万感の思いを込め歌い上げる。今後の展開を発表し、2日間に渡る全行程が終わった。
喉は全壊に近い状態となっていた。


▼2日目セットリスト
01.ようこそ! ワルキューレ・ワールドへ
02.Hear The Universe
03.不確定性☆COSMIC MOVEMENT
04.NEO STREAM
05.Absolute 5
06.LOVE! THUNDER GLOW
07.いけないボーダーライン
08.ジリティック♡BEGINNER
09.おにゃの子☆girl
10.Silent Hacker
11.ワルキューレのバースデーソング
12.God Bless You
13.風は予告なく吹く~Freyja Solo~
14.AXIA~ダイスキでダイキライ~
15.GIRAFFE BLUES ~Kaname Solo Requiem~
16.オーラ・サーラ ~光る風~ (GUEST:メロディー・チューバック)
17.ザルド・ヴァーサ ~決意の風~ (GUEST:メロディー・チューバック)
18.ルーチェット・アルカーン ~星の歌~ (GUEST:美雲Δ小清水亜美)
19.涙目爆発音 ~with Claire~ (GUEST:クレアΔ日笠陽子)
20.僕らの戦場
21.Walküre Attack!
22.破滅の純情
23.絶対零度θノヴァティック
24.一度だけの恋なら

En1.ワルキューレがとまらない
En2.愛・おぼえていますか
En3.恋! ハレイション THE WAR

WEn.ルンがピカッと光ったら



紛うことなきスーパーライブであった。
ワルキューレの5人が一堂に会したのは2016年の3月だったそうだ。そこから5ヶ月であの衝撃の1stライブツアーを成功させ、10ヶ月でこのスーパーライブを両日成功に導いている。
あの5人の歌唱力とパフォーマンスは本当に凄い。昨今、キャラクタを演じる方がそのままライブを行うハードルが上がり続けていると感じるが、その上限値を更に押し上げてしまったとさえ言える。初めて聴いた時に感じた可能性は、思っていたより遥か上空へと飛んでいった。そして今回はそれを支えるバンドやゲストまでもがあまりにも強力過ぎた。

ワルキューレの集大成ここにあり。このスーパーライブを大成功に導くまでの彼女らの成長を、都度都度見ることが出来たのは幸せ以外の何でもない。
ワルキューレを信じて大阪に飛んだし横浜にも来た。そして信じた以上のものをまた見せてくれた。
可能性を信じて本当に良かった。



今回2日目の模様は映像収録されており、後日単独で円盤化されることが発表されている。1stライブツアーはダイジェスト版ながら、3月のTVシリーズ円盤9巻に収録されることも発表済だ。
安野さんが言ったように、確かに熱そのものは会場に居る人達でしか共有出来ないものかも知れない。しかし映像から飛び出るパワーに何かを感じることは出来る。
初代から30年以上を経てなお、時代の先端にあり続けるマクロス。最新世代にのしかかるプレッシャーは想像を絶するものだろうに、それでも今まで以上を体現していくワルキューレ。

銀河最強、ここにあり。その凄さを円盤を通じて感じて頂きたいと思う。
女神の歌は確かに実在したのだ。