6月の読書

6月 30th, 2012 No Comments »

読書の意欲が全然上がらない1ヶ月でありました…。

■魚舟・獣舟/上田 早夕里
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334745301
■星界の戦旗 III~IV/森岡 浩之
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/20660.html
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/20774.html
■Delivery/八杉 将司
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/124659.html

■蝉丸Pのつれづれ仏教講座/蝉丸P
http://www.enterbrain.co.jp/product/mook/hobby/11397301.html
■出口 汪の論理的に考える技術/出口 汪
http://www.sbcr.jp/products/4797367638.html

魚舟・獣舟は「SFが読みたい」2009年度4位。「傑作と評価されるほどなのか?」と思ってしまったウチには合っていなかったのかな。ただ、短い文章で世界観をこれだけしっかり描いてみせる構成力は本当に凄いと思います。そういう意味では「くさびらの道」「饗応」辺りが比較的楽しめた感じ。表題作は拍子抜け。
著者はこの後の「華竜の宮」で日本SF大賞を受賞。若干印象が微妙だったので、こちらも読むかどうかは保留中。

星界は去年の今頃シリーズの再読を始め10月に戦旗の前半まで再読したところで放ったらかしだったのですが、何故かこのタイミングで紋章が再コミック化され再読が途中だったのを思い出し、残りを片付けた次第。
でも星界は正直なところ「紋章」「断章」だけで十分なんですよね…。ウチ個人の思う星界の面白さというのはアーヴという種族の出自と文化にあって、そこには深く「日本」が根ざしているのです。薄味を好むのも、アーブ語自体も、彼らを生み出した国家もみんなそう。それが戦旗では戦況ばかりがクローズアップされ文化的な面にあまり触れられず「よくある戦記もののひとつ」感が否めなくてですね…。基礎設定部分は本当に惹かれるんだけどなあ。
しかし、再コミック化の意図が謎すぎる。何故今なのだ。これが原作シリーズ再開フラグなら喜びますけど、それはないだろうなあ。

DeliveryはハヤカワJコレクション10周年記念作として刊行された内の一作。SFマガジンのインタビュウで著者が自ら言っているように、好みのシチュエーションやガジェットを片っ端から放り込む事が先行しているので論理的展開は二の次程度に受け止めるが吉です。主人公の状況は目まぐるしい勢いで更新され、終盤物凄いところまで突き抜けてしまう辺りに往年の名作SFのような壮大さを感じますが、論理的展開が二の次という前半が災いしてカタルシスには欠けているのが惜しいですのう…。
あと個人的に言及しておきたいのは欲望のリソースは肉体というハードウェアに依存するものであり、ハードが完全換装された状態に於いて記憶だけで本当に欲望が従前のように湧きますかね? という点。作中ではそれが可能とされているけれど、ウチはハードが換装されたら人は人でない何かになると考えているので。いやだって、この前まで手足動かしていた人がある日目覚めたら只の箱になってて手足動かすどうこうではなくなったら、普通は発狂しますよね? 耐性があったから主人公は生きているのだ、と言われればそれまでですけど…。

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全体的にモヤモヤ感漂う今月の読書、比較的満足して読めたのは文庫以外。
蝉丸Pの本は、仏教についてサブカル…いわゆるアキバにありそうな文化に例え解説を試みている本で “そういう方面に比較的明るいのであれば” かなり楽しく、そして理解しやすい良著。日頃そっち方面にあまりアンテナ張ってない人だと余計わからなくなるデメリットこそあるものの、ある方面に極端にわかりやすくしてみるというアプローチは大アリだと思います。わかりにくいようにお高く澄ましている事が必ずしもいい事とは言えませんしね。

リストに載せていない読書ではSFマガジン8月号掲載のスワロウテイル最新作「スワロウテイル人工少女販売処 蝶と夕桜とラウダーテのセミラミス(前篇)」が非常に良かった。文庫既刊2作、中短編もこれで3作目と地味に好評なこのシリーズ、今回は3号連続掲載という事で1つの事件を追うのに許された文量が多めになっています。結果として展開の速さや密度が程よく緩くなり、前回や前々回の短編にあったような詰め込みすぎ感が薄れて非常に好印象。やっぱり籘真せんせーは長い文量にした方が面白くなる方ですよ。早く来月・再来月こねえかなー。

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7月の読書予定は、野尻先生の「ふわふわの泉」が遂に復刊、ソードアートオンライン文庫版最新刊が発売なのでまずその辺から。
来月はもうちょっとテンション上げて読書して行きたいですね。今月は駄目すぎた。

仮想空間に生きる者へ [SAO試写会編]

6月 25th, 2012 No Comments »

■ソードアート・オンライン(アニメ)
http://www.swordart-online.net/

東京国際フォーラムCホールで上映とか気合入れすぎだろう、人埋まるのか? と心配をしていたら実は1万人を越える応募で倍率がそれなりに高かったらしいSAO第1話先行試写会。運良く当選しました。主な内容は以下の通り。

・PV2上映
・第1話先行上映
・オリジナルソードアート・アバター募集企画の選考結果紹介
(・SAO第11巻サブタイトル公開)
・ゲーム版について(PV先行上映)
・第2話予告映像長尺版上映
・主題歌担当LiSAさんミニライブ


PV2は公式アップ済。
第1話はバーチャルリアリティMMO「ソードアート・オンライン」が発売され、茅場がログアウト不能のデスゲームを宣告し、キリトが隣の村へ向かう所で終わり。女性の喋る場面が極端に少なく、ゲームでの死がリアルでの死に直結する “現実” を突き付け、運営開始1ヶ月で1万人中2000人が死亡しているという物語中最も重い部分が1話にまとめて詰め込まれていますね。でもこれは完全に原作通り。
映像を実際に観た感想としては、ほぼ期待通り。「ファンタジーではなくバーチャル世界」だという部分にかなり神経使っているんだなというのもよく伝わります。ちなみにPV1でちょっと評判の悪かったユーザーインターフェイス描写とアフレコはだいぶリファインされてました。PV1のアフレコは本編収録開始前だったそうですしね。

そしてまさかの第2話予告上映。時系列がバラバラな原作をアニメでは整理していて、そのため第2話は「星なき夜のアリア」が早くも映像化。これweb公開(元々SAOはweb連載小説です)が去年の夏で、商業掲載されたのが今年の春ですよ。順当な展開と言えど早えよ。
2話も映像面はかなり安定していて、あとはこれをどこまで維持出来るか次第か。制作陣にかかる期待は並々ならぬもので相当に過酷な現場が予想されますが、無事乗り切る事を願うばかりです。何しろ連続2クールという長丁場、不安がないと言えば嘘ですが行けてしまうのではないかと感じさせる勢いは十分に感じられました。

オリジナル要素企画は既報。ただ「アクセル・ワールド」(著者同じ)絡みの話をしている中でこっそりと7月発売のSAO最新刊の “その次” の情報も出していたのがポイント。なにげに「うおお!?」というようなサプライズだったんですが、メディアでのレポートで一切その辺上がってなかったので触れてはいけない話題かと判断して省略(えー
ゲーム版は詳細は今週発表だそうで、サラッと流す程度の情報公開。PVで動いてる画面がほんの少しだけ見えて、フツーにRPGを作って来る感じかな? .hack//とかFF12とか、大体あの辺の雰囲気。

最後はLiSAさんのライブで〆。




簡素ながら展示物も。剣は今年のアニメコンテンツエキスポでも展示されていたもので、ACE2012は行かなかったので実物を見たのは初めて。奥がキリトの使うエリュシデータ、手前がアスナの使うランベントライト。イベント中には、このエリュシデータをキリト役の松岡さんに振り回させるという無茶振りもあったりしました。

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かつてMMOを生活の一部にしていた、あるいは今もしている人にはアニメからでも是非観て頂きたいですね。MMO独特の感覚というのがSAOは本当によく表現されています。「あーあるある」的共感が仮想世界の臨場感を際立たせている、とは出演された声優さんも仰っていましたが正しくその通り。
いやもう、誇張抜きで鳥肌ものの先行上映会でした。放送は多くの局で7/7開始です。

仮想空間に生きる者へ [ヴァナフェス編]

6月 25th, 2012 No Comments »

34歳最後の週末は、仮想空間世界が主題となるイベントが重なるなかなか愉快な休日となりました。まずはパシフィコ横浜で2日間開催されたFF11運営開始10周年記念イベントについて。

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■FINAL FANTASY XI アドゥリンの魔境 公式
http://www.playonline.com/ff11/adoulin/

▼「VANA★FEST 2012」開催 トークショーから音楽ライブまで、2日間に渡る10周年記念のお祭り!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120623_542240.html
▼「VANA★FEST 2012」ステージレポート 田中氏退社、後任は松井聡彦氏
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120624_542565.html

まず最初に、FF11は以下の様な拡張の経緯を辿っています。

・2002/05/16 FF11(無印)
・2003/04/17 拡張ディスク「ジラートの幻影」
・2004/09/16 拡張ディスク「プロマシアの呪縛」
・2006/04/20 拡張ディスク「アトルガンの秘宝」
・2007/11/22 拡張ディスク「アルタナの神兵」
※2009/03/23~10/26 追加シナリオ「石の見る夢」「戦慄!モグ祭りの夜」「シャントット帝国の陰謀」
※2010/06/08~11/24 バトル拡張「禁断の地アビセア」「アビセアの死闘」「アビセアの覇者」

※はダウンロード専売のため、パッケージでの拡張提供は実に5年ぶり。そもそも拡張自体が2年半ぶり。大体毎年何がしか動きのあった拡張がアビセア以後途絶えてしまっていた理由は「運営開始当初の余剰部分を使い切ってしまった」事であり、以後の拡張には根幹から作り直さないといけなかった為とされています。例えばエリアIDとかは完全に全部使い果たしてしまっているそうなんですね。10年も続くとは当初誰も予想していなかっただろうしなあ。
多くの人が「もう拡張ディスクなんて出ないのでは」とさえ思っていた、苦難の果ての新たなる冒険の舞台。通例では発表から6~8ヶ月で発売、2013年と明記されている事から年明け早々には出来そうかしら。

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歴代ディレクタートークでは、FF11無印時代を担当していた(聖剣伝説でお馴染みの)石井氏が登場したのが嬉しかったですね。11だけでなくスクウェアを語る上でも決して外せない方ですが、なんと現在外注という形で再びFF11に関わっているとの事。散り散りになりながらもこうして再び携わってくれるのは、嫌いでしょうがなかったらありえない訳で…。そういうのが時々あるFF11は「帰って来たくもなる思い出の場所」とも言えるのでしょう。

一方で開発開始から今まで一貫してプロデューサーを続けて来た田中氏が退社&プロデューサー退任という衝撃的な報告も。氏のゲーム屋としての手腕にはウチはかなり懐疑的ですが、最後のスクウェア創立メンバー遂に退職という事でそういう意味でここまで長い事お疲れ様でした、と。
後任はアビセアの途中からFF14に借り出されていた松井氏がFF11にカムバック。氏が抜けて以後、調整方針が渋すぎて余り評判が良くない状態が続いているので、大盤振舞まではしなくていいので適度にユーザーを見た方針を出して頂ければと思います。

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FFは今年で25周年、初代から連なる血統的な意味での最後のFFは11なのだと思っています。
そもそも11はFF1の21世紀における再定義でありました。11開始直後に選べるジョブはFF1のそれと全く同じなのです。開発陣においてもこれほど初期FFメンバーが関わったタイトルは以後になく、今やその多くが退社しているとなると、どれだけ奇跡が起きようともこれからの完全新作で11を越えるほど古いメンバーが集まる事はもう無いでしょうし。

ちょっと半年ほどリアル都合等もあり11はお休みしてますが、再び優先度を入れ替え新しき冒険の舞台へと備えるつもりです。新ジョブやるとしたら風水士かなー。

<おまけ>


イベント来場記念、モグマスクとモグスーツ。
種族がタルタルなのでまだかわいいですが、ガタイの良いキャラが着ると…?