Flower declaration of your heart

2月 28th, 2012 2 Comments »

■輪廻のラグランジェ公式
http://lag-rin.com/
■(文庫版)輪廻のラグランジェ1/月見 草平
http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/815

この意味深な副題が好きでしてね。まだこれが具体的に何を指すのかわかんないけど。
アニメの方を毎週楽しみにしているので、文庫版が出るってー事で買ってみました。だけどまあ、ぶっちゃけた話「これアニメだけ見てればいいなあ」ですね。ところどころでアニメと違う描写をしていてそれ自体の印象は良いのですが、メディアミックス展開が早過ぎるんじゃないのかな? アニメさえ核心に触れていない状況では小説オリジナルの伏線を仕込めず、結果としてなぞるかちょっとアレンジするしか出来ないという感じ。もっと遅い刊行なら色々やりようあったかも知れんのになあ。
ちなみに小説版1巻は5章構成だけどアニメの6話までを抑えています。ヒマならどうぞくらいのおすすめ度で。

文庫を離れてアニメに話を戻すと、この作品の一番の魅力は京乃まどかの “今時こんな子いねえよ” 感だと思うのです。部員1人なのにジャージ部として校内での活動を認めさせている行動力、どこの部活を手伝ってもレギュラー以上の成績は叩き出せる運動能力。制服の下に水着を来て咄嗟に溺れた人を助けに行ける体勢、友情を深めるとは言え夜の海にすっぽんぽんで飛び出して行く奔放ぶり。一昔前で言うところのいわゆる “超高校級オールラウンダー” ってやつですな。
それだけだと突飛過ぎる上に時代に合ってない感甚だしいのだけど、ケータイの電波探してたら迷子になったとか言動はイマドキの子らしくて、そのバランス感がこの作品はうまいのです。それはストーリー展開にも言えていて、至るところで細かく気が配られており現実ではないけれど馴染みやすい作品になっているのではと思います。
過去回はバンダイチャンネルでのみ配信中。文庫はともかくアニメの方はおすすめですのよ。

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アニメついでに。

■新世界より 公式
http://www.tv-asahi.co.jp/shinsekaiyori/

うわーアニメ化するのか。いつ始まるかわからんけど、今年のACEに出展されるしテレビ朝日にサイトも出来ているから今年中には放送始まりそう。読み直さないと…。

宇宙男と宇宙女

2月 25th, 2012 No Comments »

SFマガジンが初音ミク特集を組んだのは2011年8月号のこと。
VOCALOID2とニコニコ動画の登場時期を考えると非常に時期の遅い特集ではあったものの、表紙絵をKEI氏が担当した事などもあって発売前に増刷がかかる程には話題になりました。創刊52年目にして初の快挙だったそうで。

■SFマガジン 2011年8月号(特集:初音ミク)
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/721108.html

ただこれは雑誌としての特集が遅かっただけの話で、こういうのに飛び付いて着想を得るというのは勿論その以前よりあった訳です。その内の1つが「南極点のピアピア動画」がありました。


■南極点のピアピア動画/野尻 抱介
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/21058.html

SFマガジン2008年8~9月号に掲載され2009年の星雲賞で短編賞を受賞した表題作、2010年2月号掲載「コンビニエンスなピアピア動画」、初音ミク特集のあった2011年8月号掲載「歌う潜水艦とピアピア動画」に書き下ろし「星間文明とピアピア動画」を加えた短篇集。10年後、今より少しだけ宇宙が身近になった未来を舞台に動画共有サイト「ピアピア動画」とボーカロイド「小隅レイ」が巻き起こす宇宙開発の物語というのが全編を通したテーマになっています。名前が違うだけで何をモデルにしているかは読者が予想しているそのままです。

前向きな宇宙開発の話は読後爽やかで良いですね。余韻の気持ちよさとしては「アイの物語(山本 弘)」と似たような印象を受けます。ただその演出がピア動すごく卑怯でして、いや卑怯って言い方酷いんだけど、ニコ動や初音ミクを発展経緯から知っているような人であれば涙腺に訴えて来る事間違いないようなやり方なんですね。「うわああそれずるいやろーー」みたいな。おおよそハヤカワらしくない装丁になっているのは「普段SF読まない人にも読んで欲しい」という意図に拠るものでしょうから、そっち方面に日頃から馴染みがあって興味があるなら是非手に取って頂きたいものです。ストーリーもそれほど奇をてらったものではありませんし。

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他にSF界隈でニコ動やボカロに着想を得たお話には「地球移動作戦」などもあります。

■地球移動作戦/山本 弘
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/124649.html

単行本版でリンクしたけど文庫版刊行済。
ピア動がニコニコ技術部寄りの話であるのに対して、こちらは動画や音楽をアップするP(プロデューサー)寄り。もしピア動読んで「こんな風にSFとして仕立てる人がいるんだなあ」と思ったらこちらも。天災のお話ゆえ前半の災害描写が昨年の大震災を思い起こさせる可能性は否定出来ませんので、そっち方面にやたら敏感でなければ。

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まだまだ寒い日が続きます。寒いと気分が暗くなる所を今年はかなり堪えているのですが、そろそろ色々厳しい感じです。
早く暖かくならんか。

桜、桜。

2月 22nd, 2012 No Comments »

精神衛生上非常によろしくない日々が続きます。
茶番にはもう飽きた。

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■All You Need Is Kill / 桜坂 洋
http://dash.shueisha.co.jp/feature/0412.html

ラノベ発でありながらハリウッドでの映画化企画が現在も進行中、トムクルーズが主演でほぼ確定とかそんな話を昨年末に聞いたような聞いていないような。という訳でこれは再読。
まどかマギカの放映終了後に似たような話として話題になっていた作品に、これと「紫色のクオリア」が挙げられていたのは記憶に新しいところです。ほむらの立場に近いのがAll You~で、まどかの立場に近いのがクオリアかな。つまりこのAll You~はループものでありまして、戦闘に慣れていない初年兵が抜け出せない時のループに巻き込まれ、試行錯誤して行く内に戦闘のプロとなり、抜け出すきっかけを見つける物語構成となっています。ループを重ねるたび戦闘のプロになっていくシチュエーション自体はそんな珍しくもない気がするんだけど…。

狙い方としてはやはりまどかマギカの方が上手な気がするんですよね。脱出への構造はAll You~の方が少し捻ってはあるのだけど、戦争ものを描いている割には「クソったれ」さの空気が足りないような気がしてならない。まどかマギカは魔法少女ものというフェイクから泥沼へ転がり込んでいくので、見てる方が比較的疑念を抱きにくい気がします。戦争ものって聞くと色々考えちゃうでしょ、魔法少女ものなら軽い気持ちで見ようと思う。そういう作戦の差みたいな。
落とし方としてはAll You~の方が好みかなーと、再読でも改めて思うなどしました。とてもハッピーとは言えないが着地自体は綺麗なんだよね。映画が無事完成し国内で公開された暁には是非見に行きたいです。
クオリアに触れたのでこれも。

□紫色のクオリア(漫画版) / 原作:うえお久光 作画:綱島志朗
http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891187-0/

今月27日に漫画版第1巻発売。文庫で挿絵担当した方が自らコミカライズ。
連載始まったの一昨年の秋なんだよなー。やっと1巻か。やはり月刊誌はこの展開の遅さがキツくて、長期間追い掛けるのがしんどいんですよね。ついでに言うと原作後半の描写をどれだけ絵で表現が出来るのだろうか、という不安がなきにしもあらず…。


■砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない / 桜庭一樹
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200809000378

こちらは未読でした。気になったまま何となくでずっと放ったらかしてた。
タイトルに漂う甘さとは裏腹の、本来の意味での「悲劇」だったのねこれ…。富士見版の表紙に見覚えはあったのですが、避けていたのは仕方がないのかも知れません。あの絵柄で砂糖菓子言われたらキツいと思ってしまうやん…しかもウチあんま洋菓子好きじゃない(関係ない気が若干する)。これがライトノベルのカテゴリから出てたのかーと。いや本当に食わず嫌いしてましたすみません。

冒頭で既に見えている結末。中盤からその結末へ向かって衝撃的かつ見事に収束していく求心力に圧倒された200頁。とある夏の終わりに起きた出来事にしては余りにもショッキング過ぎる思い出。時が止まったままの友人と、以後も年を重ねる主人公。一緒に歩みたかったのに歩めなかった悔しさを、物語内では綴られないにせよ主人公には将来的にバネにして生きて行って欲しいと切に願うばかりですね。
これも漫画版があるんだよね。読もうかな…。

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全く意図していなかったのに苗字に桜のつく作家が2冊続いた。
今月は出来ればもう2冊は読みたいところです。でも2月発売で読みたい本は残り3冊だったりする…。

覇権戦略、しましょうか

2月 16th, 2012 No Comments »

■天冥の標V 羊と猿と百掬の銀河
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/21050.html

《覇権戦略(サブリーム・ストラテジー)》
それを知れば宇宙を支配できるという、最適な解。

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帯に使えばよかったのにね、この売り文句。違う方面から話題を集める事になっていたかも知れません。実際に本の半分くらいはそういうお話なんだし。ちなみに生存戦略という言葉もたびたび出て来るのがこの5巻です。
物語世界において主軸を貫くであろう、ノルスカインやミスチフら「被展開体」の出自の一部がいよいよ明らかとなります。その描写は差し渡しウン億年という非常に長大なスパンで、数千~数万の銀河を股に掛ける大変に広大な規模で。スケールの大きさなら今のところシリーズ髄一。

残り半分はとある農家を舞台にしたお話。こちらはかなりこじんまりかつささやかで、これだけだと非常に退屈になるところを一方の被展開体がとてつもないスケールで展開していくので、敢えて対比としてその様にしたのかなと感じます。
だいぶ世界観が繋がって来たけれど、でもきっと作者的には「まだこれからじゃよ」なんでしょう。さあ次巻はいつだろうか。

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ところで3月にハヤカワから伊藤計劃「The Indifference Engine」が発売されます。表題作って短編だったような気がしますけど他に何を収録するんでしょうか。伊藤計劃記録とかあの辺買ってたら既読作品ばかりになりそうな気がしなくもない予感が…。
ではまた次回。

重力姫に休息なし

2月 15th, 2012 No Comments »

■GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動
http://www.jp.playstation.com/scej/title/gravitydaze/

サブタイトルを略さないのが礼儀です。
良質のアクションゲームが、 “新ハードの黎明期に” “ファーストパーティから” “シリーズものでなく新規タイトルとして” 登場した事が何よりまず賞賛されるべき事でしょう。VITAを買ったらまずこれをやれ、と言い切れるタイトルだと思います。



特異な内容なので簡単に説明をすると、重力の方向を操るアクションゲーム。たまに勘違いしている方がいますが、重力の方向をいぢった結果空を飛んでいるのであって、タケコプターみたいな自分の意思で空を飛ぶゲームではありません。その若干の不自由さとそれを克服する遊び手側の進化が肝となります。最初の内こそ滞空時間等の基礎能力が低いものの、ステータスを上昇させる事でそう遅くない内に半無限に飛べるようにはなれますね。全21章構成で、トータル所要時間は寄り道する程度にもよりますが10時間台前半~半ばといったところでしょうか。
普通のゲームでないのは紹介した動画を見るなり、あとゲーム屋・電気店のゲームコーナー等でVITA実機が置いてあれば体験版を遊ぶ事も出来ます。製品版に比べるとステージの物量はおよそ2割以下、システムも必要最低限とかなり制限が厳しいものの「空を飛んで敵を倒す」基本的は部分は味わえるでしょう。

それにしてもVITAのポテンシャルが凄い。空間を活かしたSCEのゲームというと「ジャンピングフラッシュ!」なんかがありましたが、処理能力不足でステージ遠方が激しく描画欠けしていたあれと違って、このゲームは目立つような描画欠けが極めて目立たないレベルまで抑えられている。流石にあんまり遠いとテクスチャやモデルが簡素化されたり、街と違ってアイテムはかなり遠方だと非表示になったりはしますが、街を飛ぶその一番大事なところで描画欠けを起こしてモチベを下げないように気が配られているんですね。プレイヤーの移動範囲を制限して描画欠けを見せない手法と違って、文字通り前後左右上下好き勝手に動ける環境でそれだけの事が出来るだけのパワーが携帯ゲーム機にやって来たんだなあと思うと、技術の進化を感じずにはいられません。
すげえ時代だな。

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合間を見つつ、現在はひとまずクリアしたところまで。
まだステータス強化が余裕で半分くらい残ってるのと、ミニゲーム後半放ったらかしまくってるんでそれを詰めて行きたいな。ダウンロードミッションも今後配信されていく予定だそうで、広がっていく重力姫の世界に期待したいですね。