終わりなき春に

1月 31st, 2012 No Comments »

■天冥の標I メニー・メニー・シープ〈上・下〉/小川 一水
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/20968.html
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/20969.html
■天冥の標II 救世群/小川 一水
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/20988.html

1月は既刊の半分まで。
巻ごとに話は独立しているのだけど巻ごとに綺麗に完結しているかと言うとそんな事はなく、物凄い勢いで放り投げたまま終わるので感想に非常に困りますね…。Iとか宇宙船らしきもの見つけてウオオ伏線かー! と思ったら終盤殆ど人死んでるし。IIはIIでキーパーソンが死亡し舞台が移ろうかという正にそのタイミングで終わってるし。全10巻構成らしいけど、ブン投げまくりブツ切りまくりを一体どうやって繋げる気なのだ!? という意味で続きが気になります。いやまあどうにかなるんでしょう。一水先生だし。
話の好みとしてはIIの方かなー。表現が適切ではないのを承知の上で言うとパンデミック物特有の、静かにしかし確実に迫る恐怖や絶望・破滅はある意味で爽快感に溢れているのです。仕込みが一気に動いて気がついたら手のつけようのない所まで進展しまってるっていうあの感じがね。救世群もその辺りの凄惨さが非常にしっかり描写されているのだけど、小松左京の「復活の日」と比較されがちなのがかわいそうだなーと。あれが偉大過ぎるんだよ。あのページであんだけ風呂敷広げてひっくり返して最後でもう1回ひっくり返してちゃんと終わってんだもん。
そういう訳で日本SFを代表する、という謳い文句はやや言い過ぎなんじゃないかなと個人的には思うのです。将来的な可能性というのであれば同意ですが。


■花咲けるエリアルフォース/杉井 光
http://gagaga-lululu.jp/gagaga/lineup/201102.html#04

桜は散る時が最も美しい。
ここから「桜が散らない状態とはどういう事か」という発展をし、更に飛行機の動力にまで応用させるその土台のアイデアには非常に惹かれるものがありました。そこに関しては素晴らしい。が、問題はあとがきにあります。
「物書きの気楽さで、桜の花に見える機体などとさらっと描写してしまった」と著者が自ら言ってしまっている。いやあのね、作品世界は著者ありきでしょう? 著者がそこに悪い意味で気楽でどうすんのさ。他に誰がわかるの。今回イラスト担当の方が立体化まで考慮した上でデザインするという良い仕事をしたから良かったようなものの、創作する覚悟っていうのは人物だけでなく機体や登場する全ての物に対して責任を持たなければいけない覚悟なんじゃないのかな…。そこにラノベ非ラノベは関係ないとも思う。
責任という意味では舞台に我々が非常に良く知る日本の建築物や地名を持って来てしまった点も良くなかったかも知れない。日本の歴史はなんだかんだで長く、そこに積み重なる物が重すぎる。そこに迂闊に触れると「あれはどうなったんだ」という話になってしまう。ビジュアル的に格好いいから、ロマンチックだからと安易に用いると話全体が安っぽく見えてしまう。
昨年だかに読んだ「特異領域の特異点」でも同じような話をした気がするなあ。アイデアそのままで舞台を完全に日本でないどこかにしていたら…。

あと中学生くらいの男子×国を率いるほど位の高い女子、という話で大抵男子が悪い意味で無知で子供っぽ過ぎるのはテンプレなんですかね。星界もそうだったんだけど、読んでてイライラする。男って高校生でも十分子供っぽいものだし主人公が無知の方が設定を説明しやすいのでしょうが、自分の昔を見ているようで腹立つっていうかなんというか。
ウチが最も影響を受けた小説家は笹本祐一氏ですが、笹本小説は基本的に登場人物が利口なんですね。通信簿的な意味じゃなくて、無謀無茶に見えても先を計算するような賢さがある。単なる無知で迷惑かけ放題のキャラに覚える違和感には未だに慣れる事が出来ません。世間一般ではそういう賢くないキャラが受けてるんだろうか。わからん。

この本が出たのは約1年前。単巻で終わりかと思いきや発売延期中なものの続刊の予定が近くある様です。シチュエーションは好きなので続刊も追い掛けるつもり。無責任さ加減だけはどうにかして欲しいと願いたいところ。
2月は天冥の標の既刊分残りを片付けつつ他もろもろの予定です。

12、24、72。

1月 25th, 2012 No Comments »

■くらしのこよみ 七十二の季節と旬をたのしむ歳時記
http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/frame.cgi?page=newbooks.html

12の月と24の節気、72の候を足した数が除夜の鐘の回数だという説があります。
…まあ108とかどうとでもこねくり回せる数字なので真偽の程は定かではないのですが。

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節分が何故行われるかも知らなかった幼少期、親に「こよみの上では春なので」と言われても「寒いじゃん。まだ冬じゃん」とまともに聞いていなかったのは仕方なかったかも知れません。春分・秋分は休みだけれど節分別に休みでもないし。大事な事はその由来ではなく、1年を24や72に分けてうつろう季節を感じる心を人は昔から紡いで来ていたのだという部分ですが、残念な事にありがたみをわからない現代っ子として育ってしまい、そういうのを気にするようになったのは随分あとの話。

iPhone/Androidで七十二候を知らせるアプリに「くらしのこよみ」というものがあり、これはそれを書籍化したもの。アプリと本の内容はほぼ同じです。節気や候が表示されるだけでなく、季節のおいしい食べ物や行事なども併載。
違いはアプリは無料である代わりに時期を自由に指定出来ないこと。候ごとの記事を購入は出来ますが、資料として全部買うなら本として手元に置いておきたくて。ウチ的にはやっぱり電子より紙ですよ。一方でアプリならではの特徴としては「アラート機能」ですな。紙の本にそれは出来ないね。5日か6日ごとにアラートを発するので移り変わりを見漏らす事はまずなく、ぼやぼやしていると季節はどんどん巡ってしまうのだなとより意識出来るようにはなったかな。紙にも電子にもそれぞれ一長一短があるっていうやつです。

残念な現代っ子として育った挙句、諸般の事情によりウチはどうあっても自分の子を育てる事はこれからもありません。しかし今年7歳になる姪っ子には、もっと色々な事を吸収して残念でない大人になっていってもらいたい。こんな本はまだ難しいだろうか、こういうのはいつ頃読ませたらいいだろう、こんな所は子供でも興味を持てるだろうか? みたいな事は頭の片隅程度には考えています。一応ね。

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今日は水沢腹堅。次の候で大寒は終わり、春がやって来ます。
実際に暖かくなるのはまだ先ですが、それを待ってると1年の1/4を無駄に過ごす事になってそんな悠長な事言ってられる歳でもなく。
相変わらず腰は重いのだけれど、色々興味をもってやっていけたらいいなと思う今日この頃であります。安月給だけどな。

年開けてまずは3冊

1月 15th, 2012 No Comments »

■老ヴォールの惑星/小川 一水
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/20809.html
■フリーランチの時代/小川 一水
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/20930.html

昨年末からの継続で小川氏作品強化期間中です。
今回の2冊はどちらも短篇集。「老ヴォールの惑星」は4篇収録。「ギャルナフカの迷宮」「漂った男」は救いの手がない状況で環境に人間が適応して生き抜くという意味でテーマが同じ。前者が地下世界で500人、後者が海しか無い惑星でたった1人という違いはあるけど。表題作「老ヴォールの惑星」「幸せになる箱庭」どちらもファーストコンタクトもの、ただ箱庭の方はオンラインゲームにヒントを得て途中から様子が一気に変わるのが特徴です。結末は一応いずれもハッピーエンド。作家を目指した直接のきっかけを「妖精作戦/笹本 祐一」最終巻の悲劇だと語る氏はやはり意識してハッピーエンド書きたいんだろうなと、ハッピーエンドのひとつの形として人間讃歌の物語を書いて行きたいのだろうなというのが強く伝わります。だからあんまりラストで抉られる事にはならなくて、描写も比較的ストレートで読み進めやすいんですね。

「フリーランチの時代」は5篇を収録。こちらは収録傾向がちょっとバラけていて、表題作「フリーランチの時代」は火星でのあっけなさすぎる異星体とのファーストコンタクトそして人類進化の物語、「Live me ME」は交通事故にあった女子大生の「人間の本質とは何か」に迫る物語、「Slowlife in Starship」は宇宙時代に生きる非コミュが立ち上がるまでを描いた物語、「千歳の坂も」は不老不死が当たり前となり死ぬ事が犯罪となった未来世界での生きる事を問う物語、「アルワラの潮の音」は長編「時砂の王」の一エピソード。って、さりげなく「時砂の王」の短編こんな所に入れるなよー! しかも書きおろし! むしろあれの短編で一冊とか読みたいです。特に本編エンディング後とか。

冊単位で気に入り度が高いのはフリーランチの方かな。まず表題作のノリの軽さがたまらんですね。軽い一方で “生物的制約から解き放たれた時に何を選ぶのか” という問いを重くならない程度(ここ重要)に組み込んでいるのが非常に良い。もうちょっと観測地のメンバーの葛藤にページを割いて欲しかったなとは思いますが。Live me MEも内容自体に目新しさは特にないものの、性格のキツい女性が主人公というのがポイント。これがウジウジしている男だったら話が成り立たんわ…と思ってたら次の作品が正にウジウジ男の物語で、それはそれできっちりと良い方向に話を持って行って終わらせるその手腕が見事です。実にバリエーション豊富。

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ここまで氏の作品4冊ほど読んで「あ、大丈夫そうね」と結論付ける事が出来たため、次はいよいよ天冥の標を読み始める予定。過去作もまだまだ読んで行く気満々だけど、それにとらわれすぎて最新作読めないってのもちょっとアレですしここらへんで。
今月はもう1冊「仮想空間計画/J・P・ホーガン」を読了しています。これについては来月触れる予定です。

それからのヴァナディール[2012新春編]

1月 4th, 2012 No Comments »

■ファイナルファンタジー11 公式
http://www.playonline.com/ff11/

運営開始から実に9年と7ヶ月を経て、ファイナルファンタジー11の世界は遂にLv上限が99へ到達しました。このゲームは6年半もの間Lv75が上限の時代があって運営が終わるまでずっとLv75のままだと思っていた人も多かったですから、2桁で表現出来る限界まで来たのだなと思うと中々感慨深いものがありますね。
色々な意味で激変をもたらした拡張コンテンツ「アビセア」シリーズも第3弾実装から1年を経過、ヴァナディールでの活動の場は再び「アビセア」の外へと戻りつつあります。

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▼経験値稼ぎ事情
ほぼ1年前のエントリで経験値の時給は10万~20万と書いていたのが懐かしい。今は少なくて平均20万~場所と敵を選べば30万超、ピーク時に限れば40万も珍しくないといった感じです。拡張ディスクが1つも出てなかった時代と比べてその差100倍。なのでLvを上げる行為自体はあっさり終わってしまうのですが「メリットポイント」という、Lvとは別にキャラのステータスを強化する要素がありまして、それが昨今の経験値稼ぎ事情を反映するかのように膨大な量の経験値を要求して来ます。12月のバージョンアップで新設された分のメリットポイントを埋めるのに経験値400万くらい使うんじゃなかったかな。時給が時給なので、それでも昔のLv上げほどは時間かかりませんけどね。

▼新ウェポンスキル




上記「メリットポイント」を消費する事で修得・強化出来るウェポンスキル(格ゲーでいう必殺技)が追加されました。写真は片手剣「レクイエスカット」、動画は武器14種全部。修得に際しての敷居が低いウェポンスキルはかなり久しぶりだと思います。ウチはあまり殴るジョブをやる方ではありませんので、短剣・片手剣・両手棍で。
しかし全体的に飛び跳ねすぎじゃろ…。片手刀「瞬」は消えまくる辺りがテイルズやスターオーシャンにありそうでなんかゲーム違うんじゃないか感がしなくもなく。弓も見た目は好きです。狩人もうやってないけど。

▼ヴォイドウォッチ
昨年5月から始まった、18人で30分以内に強大な敵を倒すコンテンツ。最近実装される高性能装備は大体ここでの戦利品というのもあり、装備目当てで毎日のように募集をかけている人も多く見受けます。ちょっと戦力的に身内で遊ぶには厳しいため、ウチはストーリー進行に必要なフラグ立てだけ野良で参加している感じかな。身内と遊ぶ時間をごっそり持って行かれるのは本意ではありませんし。
ここぞとばかりに強烈な攻撃が目白押しなのがヴォイドウォッチの特徴です。前方範囲即死とか死の宣告のカウントダウンが5秒しかないとか、死んでもいないのにいきなり周辺の人が衰弱状態にされるとか、連続魔メテオとか。苦労しつつも何とか現在実装されている全56体は討伐済。今年の前半で一通り実装終わるみたいなので、それまでは追加されたら追加分だけこなす予定。

▼AF2強化
FF11にはジョブ専用装備として、アーティファクト(AF1)・レリック装束(AF2)・エンピリアン装束(AF3)という3種類が存在します。このうち7年半前に実装されたAF2を強化する要素が昨年12月に実装されまして、最近一番頑張ってるのはこれですね。強化に必要な手間はAF3と同等かやや上回っているのかな。持ちジョブ分を全部終わらすとなると結構大変ですが、こつこつ進めて行ければなあ。比較的少人数で出来るので、身内で遊ぶには丁度良いです。

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言っていませんでしたが、FF14については新体制移行により「非戦闘職でも生活していける」ウリが排除されてしまったため、プレイスタイル的に合わない事から昨年9月をもってキャラ削除・解約済としています。今年は恐らくPSO2が発売されるけど、これも今のところはわからんなあ。
今の生活の優先順位としてゲームは比較的低位置にあるので、11をメインとしながらも実装される要素と生活の優先順位を考え落とし所をつけて、その範囲内でやれればといったところですね。