7月の読書

7月 28th, 2011 No Comments »

■星界の紋章 I~III/森岡 浩之
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/20547.html
■星界の断章 I~II/森岡 浩之
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/20802.html
■魔法科高校の劣等生/佐島 勤
http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-870597-4/
■約束の方舟 <上・下>/瀬尾 つかさ
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/21040.html

8冊2591頁。星界は再読。Qじゃない方の「一九八四年」が月内に読み終えれば3000頁越えるかな。3000と言うと当初目標の倍なので、少しずつではありますが読むの遅いのは克服しつつあるのかなと思いたいところです。別に誰と競ってる訳じゃないけど。

星界をこのタイミングで再読したのは、地震やら政治やら日本がガタガタだからこそ日本を起源とした設定を持つSFを読み直したかった…その筆頭が星界だったと。今のこの国の状況と言うのは本当に酷いのですが、この弧状列島が育んで来た文化そのものはウチは好きなのです。国はともかくこの土地に生まれて良かったと思っているので。
毎年出る出る詐欺になっている戦旗Vも今年こそ出るといいですね。その時に戦旗の再読もしたいところです(忘れている部分がだいぶ…)。

魔法科高校の劣等生は一言で言うと「期待外れ」。魔法を取り扱う創作なんてそれこそ星の数ほど溢れている中で、敢えて魔法ものに真っ向から取り組むには相応の覚悟が必要だと思うのです。また著者が元々SF育ちでファンタジーに転向している事から、わざわざ魔法ものに取り組む以上近未来世界に魔法が溶け込んでいる理由に期待していたのですが…そこに魔法があるべき理由の支柱が見当たらないように思います。設定の物量自体は凄いのだけど、支柱がないのでもっともらしいハリボテに見える。
ウチは余りファンタジー読まないんですが、最近の作で言えば「氷結鏡界のエデン」の方がありふれた題材ながら開き直って突き抜けている分面白かったかも知れませんね。8/10続刊分までは読んでみますがその後は分からないかな。

約束の方舟は最近の早川によくある “ラノベ出身作家を早川に招いて好きに書かせてみた” 系。「星の舞台から見てる」「スワロウテイル人工少女販売処」「さよならペンギン」なんかもそうですね。表紙の傾向がおおよそ早川SFらしくないのが特徴です。
著者の前作「円環のパラダイム」に続き今回も異生体と共存するお話で、この人こういうのが好きなんだなあというのはよく伝わります。描写は非常に丁寧で、足場を踏み固めながら進めて行こうとする姿勢も好印象。800頁という文量になったのも頷けますし「円環のパラダイム」に比べれば文量の割に設定が壮大過ぎるという事もありません。が、話を掻き回すトラブルメーカーが多くて話の見通しが悪い。そのため決して悪くはないのだけど、オススメ出来るかというと微妙という何とも言えない歯がゆい作になってしまっています。
“早川にやって来たラノベ作家” シリーズに見られる傾向として「ラノベでは書けないリミッターを外して好きに書いてみた結果、複雑になってわかりづらい」パターンが多い気がしていて、これもその典型かな。このシリーズの中で言うなら星雲賞にノミネートもされた「スワロウテイル人工少女販売処」が、好きな事をやっているのと複雑さのバランスが最も取れているのかも。
個人的には「円環のパラダイム」が設定の割に文量が足りていないので、あれの続きを非常に読みたいのですが…移籍してシリーズものにならないかなあ。まだ最近のだから難しいのかなあ。

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今月初エントリが毎月恒例のコレでもう月末かよ、という感じですけども他にこれといって特に変わった事のない月でしたので…。節電で社内が常に蒸し暑く、体調的にかなりしんどい日々が続いています。早く涼しくなって欲しいものです。