女神の歌声は空と五線譜を超えて──Walküre 3rd LIVE「ワルキューレは裏切らない」

2月 27th, 2018 No Comments »

■マクロスポータル
http://macross.jp/
■戦術音楽ユニット・Walküre 3rdLIVE「ワルキューレは裏切らない」
http://macross.jp/delta/walkure/livepage.php
▼『マクロスΔ』ワルキューレ3rdライブ『ワルキューレは裏切らない』は激アツ! 公式レポートで会場の模様を大公開
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1519604805
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▼【前々回記事】今再び始まる、共に成長する物語──Walküre Attack!(2016/08/14)
http://amytis.main.jp/blog/?p=4751
▼【前回記事】横浜に女神の歌が響き渡った日──Walküre 2ndLIVE「ワルキューレがとまらない」
http://amytis.main.jp/blog/?p=5156
▼【3rd前置き編】歌の力が導いたその先に──Walküre 2ndLIVEから激情、そして3rdLIVEへ
http://amytis.main.jp/blog/?p=5984



あの2ndライブを超える。
ワルキューレのライブパフォーマンスは、純粋に歌唱力で真っ向勝負を挑んでくる力強さを持つ。戦術音楽ユニットという立場から歌の力で攻めなければ勝つことが出来ないし、ゆえに休ませることもさせない。原曲からして難解なコーラスワークもそのままステージ上で披露し、初めてその光景に立ち会った者を圧倒する。

キャラクタを演じる方がそのまま行うライブとしては規格外の領域を完璧にやってのけていたのが、昨年の2ndライブであった。そこから一体何を「それ以上」にしてくるのか。1stの期待とも2ndの信頼とも違う未知の領域への踏み込みに、横アリへ着いてからはずっと身体が震え、早まる鼓動で心臓が痛い。
でもワルキューレはきっとその超えてくるに応えてくれる。だからこちらも声が果てるまで声援をしよう。あれは祭りなどという生ぬるいものではなく参加する側にとっても戦いだったのではないかと、ライブを終え日常が戻って来た今も思っている。



前回からより一層数の増えたフラワースタンドの列を経て会場に入る。ステージが前回より奥の方へ引っ込み、横に広くなっていた。前方スクリーンも横長へと大型化し、ステージ上の段差部分には大小スクリーンがいくつも仕込まれている。明らかに映像演出を強化している一方で、ステージ上から延びる花道とセンターステージは消滅。トロッコが通ることになるであろう道もギリギリまで狭くなっており、強化される演出を如何に同じ会場で多くの人に見せるかの工夫がうかがえるステージングとなっていた。


大型化した前方スクリーンに新規OP映像が流れステージは開幕を告げる。追加作曲された「恋! ハレイション THE WAR」のイントロをバックに、ワルキューレメンバー自身がパイロットとなってバルキリーに乗り込む姿が映る。そのたびに大歓声が上がり、バルキリーがワルキューレ仕様のカラーリングになっていく様でまた大きく歓声が上がり、これまたワルキューレ仕様になったマクロス級空母から発艦する際も、映像と共に会場中がカウントダウンを行う。
強く強く「発進するぞ! 行くぞ!」と打ち出された、ワルキューレライブ史上最も格好いいその映像に会場のテンションは最初からトップギアへ突入し、その勢いを受け「恋! ハレイション THE WAR」を歌い始める5人。
この曲で始まるのは1stライブ以来となる。毎回必ず「ようこそ」を持つ曲で始まるワルキューレライブであるが、恋ハレの場合は人によっては印象が異なるかも知れない。自分の場合は1年半前、5人のパフォーマンスがどれほどのものかを初めて目の当たりしたあの大阪公演を強く思い出した。あの日、あのときめきを忘れずに今も居るかと熱量を試されているようでもあったからだ。
ここまで来れば身体の震えはもう止まっていた。鼓動はおさまらないから心臓はまだちょっと痛かったかも知れない。

新曲は早くも3曲目で投入される。劇場版を観ていれば「幻惑的な」と曲紹介が始まった時点で「チェンジ!!!!!」が来るとわかる。メインメロディから突然バックコーラスに移ったかと思えば再びメインメロディに戻るような、歌唱難易度が上昇している新曲群の中でも一際難解な曲を崩しすらせず歌いつつ、この曲では頻繁にフォーメーションもチェンジし劇中そのままのダンスを再現する。2日目がステージを横から見る形になったのでこの辺りの難易度の高さをより実感することが出来たが、本当に目まぐるしく「そこまでやらんでも」と言いたくなってしまいそうな程だ。だがやってしまう、乗り越えてしまうのがこの5人。

続いて「Absolute 5」「風は予告なく吹く」と続き、1日目は「いけないボーダーライン」2日目は「NEO STREAM」「LOVE ! THUNDER GLOW」とセットリストが入れ替わっての展開。エースボーカルJUNNAちゃん、およびダブルセンターとして立つみのりちゃんにかかる負担が序盤からして相当なものであるのは2ndからそのままだが、2人ともこの1年で大きく成長したことをその声から感じ取ることが出来た。表現力もパワーも去年から数段上を行っている。
あれだけのものを持っていてまだ伸びるのか。特に2日目のJUNNAちゃんは本当に声が果ててしまうのではないかという、自身のソロライブでも見ないほどの気迫で、比較的見慣れ聴き慣れている自分も驚いた。近くの席だった女子2人組なんかは「え、え?」みたいな信じられないものを見ている反応で顔を見合わせていたのが印象深い。そういえば3rdライブは今まで以上に女子の姿を多く見るようになった気がする。
セットリストが両日共通に戻った9曲目以降も「涙目爆発音」「Walküre Attack!」といった熱量の高い曲、そして中盤を毎回支え続ける「AXIA」「GIRAFFE BLUES」と続く。桁違いの大きさで会場を飛び交う「メッサー!」の声から一転、次の曲でピッタリ静まり返り殉職した彼を弔う。


前半でも留まることを知らない勢いは、「後半戦、行くよ!」の掛け声で始まる14曲目から先で真骨頂が発揮された。「ワルキューレが止まらない」を歌い踊りだした5人を乗せたまま、大型のステージが動き出す。そしてそのままセンターブロックの上を通過していった。通過された側の観客は上を見上げ、後方の観客はトロッコ以外で5人が近くにやって来ると思わず喜びを爆発させる。花道とセンターステージを廃した理由はここにあったのだ。もっと遠くへ行ける。もっと上が見える。1日目がセンターブロックだったので、自分も5人を見上げるかたちとなった。
公式レポにもある通り、マクロスのライブは劇中でも見上げるかたちになることが多い。マクロスFは言うに及ばず、ホログラム的演出の走りとなったマクロスプラスの時点で既に確立されていて、演者のパフォーマンス以外の手段としてマクロスの世界観に観客を引き込む更なる一手がステージングだったのだな、と感じさせた。なおこの移動式ステージ、下が強化プラスチックだかで透明になっていて、5人は真下の人にも手を振る気遣いさえも見せてくれている。

大型ギミックと共に迎えた後半戦は熱唱を超えた絶唱を更に超える驚異の曲目続きとなった。3rdライブは2ndライブと比べ単日での披露曲数が若干減っているが、これが結果として密度を途方もなく上げる方向に働いている。1日目が「Hear The Universe」2日目が温存された「いけないボーダーライン」をここに持ってきて、その後「一度だけの恋なら」「絶対零度θノヴァティック」「破滅の純情」と攻める曲しか続かない。そしてその後に新曲「ワルキューレは裏切らない」が満を持しての登場となった。
原曲を聴けばすぐにわかるが「裏切らない」はJUNNAちゃんが高音全開で入らないと始まらない曲だ。ここまで散々体力を消耗するセットリストを組んでおいて、ここで1人にスタートの全てが掛かる曲を持ってくるのは正気の沙汰ではないと思った。だが努力の果てにそれを成し遂げるJUNNAちゃん。
彼女を「まだ17歳」と驚く声はよく聞く。しかし実際のところは「もう17歳」で、「いけないボーダーライン」の収録時は14歳で中学生だった。この2年余りをワルキューレと共に過ごし過酷な歌曲群を超えた今だから出来る、「裏切らない」はそういう曲なのだ。劇場版と3rdライブが決定して本当に良かったと思う。

アンコール前は「Dancing in the Moonlight」がラストとなった。これもまた「ようこそ」を持つ曲で、いつでも、どこからでも歓迎しますよという締め方をするのがワルキューレらしさと言えよう。





アンコール後。
2ndライブでは歌ハインツの生声披露に留まらないサプライズとして1日目でランカを、2日目で元ワルキューレのクレアと美雲の歌・声両方揃える仕掛けを用意していた。3rdライブはステージギミックとしてサプライズを用意していたが、アンコール前でそれ以外がない。何かが来るはず…何かが…そうして「未知なる輝き」との前フリから登場してきたのは…歌シェリルことMay’n。JUNNAちゃんとのダブルエースボーカルによる「ダイヤモンドクレバス」がここに実現する。11歳差でキャリアが段違いであるにも関わらず完璧に食らいつけるJUNNAちゃんが凄すぎた。

…と思ったのも束の間、そのままMay’nソロで「射手座☆午後九時Don’t be late」が始まる。ダイヤモンドクレバスまではわかってもその後のこれには会場もかなり不意を突かれたようで、会場のボルテージは凄まじいものとなった。今から10年前、浜松町文化放送サテライトプラスでMay’nがミニライブを初めて行った当時の1曲目でもある射手座。途中、喉のために活動を一旦お休みしたこともあったりしたけれど、10年を経ても歌声の力強さは健在だ。
そこからワルキューレとの総勢6人で「僕らの戦場」へと続く。

2日目はこれがランカ役の中島さんとなり「星間飛行」を去年に続き披露、ソロで「アナタノオト」、6人で「不確定性☆COSMIC MOVEMENT」というセットリストになっている。「ああ、これは去年やり残したことのリベンジなのか」と思った。ワルキューレ名義のCDには初代やFの歌も収録されているが、ライブでは「ダイヤモンドクレバス」だけが披露されて来なかったのだ。JUNNAちゃんのソロツアーでこの曲は歌われているが、それはあくまで個人活動にすぎない。
そうして、熱狂のうちに2日間は過ぎていった。

▼3rdライブ セットリスト
Day 1 Day 2
01. 恋! ハレイション THE WAR
02. ようこそ! ワルキューレ・ワールドへ
03. チェンジ!!!!!
04. Absolute 5
05. 風は予告なく吹く
06. いけないボーダーライン NEO STREAM
07. おにゃの子☆girl LOVE ! THUNDER GLOW
08. Silent Hacker ジリティック♡BEGINNER
09. 涙目爆発音
10. God Bless You
11. Walküre Attack!
12. AXIA~ダイスキでダイキライ~
13. GIRAFFE BLUES
14. ワルキューレがとまらない
15. Hear The Universe いけないボーダーライン
16. 一度だけの恋なら
17 絶対零度θノヴァティック
18. 破滅の純情
19. ワルキューレは裏切らない
20. Dancing in the Moonlight
En1. ダイアモンド クレバス
(美雲&シェリル)
星間飛行
(フレイア&ランカ)
En2. 射手座☆午後九時Don’t be late
(シェリル)
アナタノオト
(ランカ)
En3. 僕らの戦場
(ワルキューレ&シェリル)
不確定性☆COSMIC MOVEMENT
(ワルキューレ&ランカ)
WEn. ルンがピカッと光ったら

このセットリスト順に改めて曲を聴いていくだけでもだいぶ大変なことになっているのがわかる。
あれだけすげーすげー言ってた昨年の2ndライブを本当に全方位で超えてきて、その超えてきた1日目を更に倍増しで超えて来たのが2日目だった。それは演者だけでなく観客のテンションもそうだ。横アリの天井が割れんばかりの大歓声に、こんなにもワルキューレの歌を信じる力って大きくなっていたんだなと感じた。
両日ともに、終演後ドキドキが治まるまでに4時間ほどを要した。

2018年3月まではマクロス35周年の年度の時期となっている。歌と共にあり続けるマクロスが、放映35周年記念とも言うべきこのライブで見せた「今としての答え」がこれだったというのは大変に感慨深い。
ワルキューレはマクロスシリーズにその名を刻むだけの存在になれたのか。それは今更言うまでもないだろう。シリーズに並び引けを取らない存在として、輝き刻むことがしっかり出来ている。それは世代世代でマクロスに関わる人々が必死に頑張って来たのと同じように、Δ世代も過去の栄光などではなく歴代でもやってない領域へ踏み込む「攻め」を諦めなかったからだ。だから、スタート時点では想像出来なかった、今という彼方の領域がある。


ロスではなくて満たされすぎた、そんな幸せな2日間。
世代を共に走り続けることで見ることの出来た光景は、きっと生涯忘れることはないだろう。
歌声を信じる者同士が共鳴し最高を超えた最強の輝きに満ちたあの空間。本当にありがとう。










歌の力が導いたその先に──Walküre 2ndLIVEから激情、そして3rdLIVEへ

2月 13th, 2018 No Comments »

■マクロスポータル
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▼『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』本予告


2018年2月はマクロス強化月間だ。スカイツリーとの大型コラボに始まり、劇場版公開とそれに伴う新譜の発売、そして3rdライブ。
このように大きな動きがあると、メディアなどにインタビュウが掲載されたりする。その中のいずれでも触れられていたのは「ワルキューレ2ndライブまで劇場版の制作は決定していなかった」「2ndライブでワルキューレとしての主だった活動は終わりになると思われていた」「ファンもその雰囲気を察知していた」ということであった。それは実際にその通りだったと現地で感じている。
幸い、ワルキューレはマクロスシリーズに連なる存在であるので、この先完全に忘れ去られるということはない。出ては消えていく過酷な世界の中では救われている方なのだが、とは言え一度区切りがついてしまうと歴代歌姫扱いとなり、単独での本格的活動は流石に機会が厳しくなる。しかし団結力と総合的な歌唱力においてシリーズ随一を誇るこの5人の存在は大変貴重で、「出来れば続いて欲しい。もしこれが最後なら自分たちの信じた存在へ、瞬間完全燃焼するのは今ここしかない」…そういう雰囲気に全体がなっていた。
それがあの2ndライブであった。

そんな諦めるかとばかりのワルキューレを取り巻く熱意が、運命を変える。「ここまで成長したユニットをこのまま終わりにしていいのか!?」と2ndライブ後に劇場版制作のGOサインが出され、ワンマンライブは再び横浜アリーナに凱旋が決定。まさに歌の力が未来を動かしたのだった。
歌が命運を左右するのは、いかにもマクロスらしい。



前回のエントリでも触れているが、マクロスΔがシリーズにおけるその新機軸として打ち出した最たるものはワルキューレである。チームであり、Fと違ってユニット名が最初から存在し、戦闘する上でも戦術音楽ユニットとして欠かせない存在だ。あらゆる点で彼女らがキーとなっており、劇場版で展開を改構成するにあたってはそこを更にフォーカスしたものとなった。
元からΔをワルキューレありきの物語として受け取っているならば、劇場版は比較的素直に楽しめるだろう。120分の上映時間の中で挿入歌20曲超という圧倒的な物量はワルキューレという名の風である。その風に乗って鑑賞する体で行けば驚くほど気持ちよく最後まで飛んでいける映画となっていて、それはまるで投げた紙飛行機が高度を多少上下しながらも遠くへ飛んでいくかのよう。物語のテンションはTVシリーズと比べ高めに設定されており、これは2ndライブの熱気を受けてのものとのことだ。下がりかけるところであまり下げないようになっており、そういう場面が不可避であっても立ち直りがかなり早い。

これに伴いシリーズお約束の一角である「三角関係」も本劇場版においては薄められている。ハヤテは最初からミラージュとタッグを組んでおり、フレイアとハヤテの関係は最後まで恋仲未満でしかない。TVシリーズでは終盤までミステリアスさを抱えっぱなしだった美雲も、星の歌い手のクローンとして利用されるまでは同じだが「1人でも欠けたら意味を失ってしまうから」仲間と共にありたいと強く願う姿が強調されている。
このように改められた結果、ワルキューレとそれを取り巻く周囲の人達のチームワークが強く押し出されるかたちとなった。これはマクロスΔが本来目指していた方向性に近いものだ。

だから劇場版は、これまで作品内外でワルキューレというチームを応援して来たファンへのアンサー的意味合いが強い。この文脈を全く読み取れなかったのなら、2ndライブBDの鑑賞を強く推奨する。2ndライブと劇場版は繋がっている関係にあるのだ。そして恐らく、劇場版と3rdライブも。

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初めて「いけないボーダーライン」を聴いた時。
その声が収録時14歳という、マクロスシリーズ歴代最年少歌姫の声によるものと知った時。とてつもないことになる予感を覚えた。
その予感は正しかったと改めて思う。その後彼女たちはアーティストとしてのオンリーワンを目指すべく圧倒的に複雑な歌唱を実際にやってのけ、可能性がボーダーラインを越える展開を幾度も見せて来た。2ndライブだって元々は1日日程だった。
超時空要塞マクロスから35年。時代と共にあったマクロスが今、このような素晴らしい面々に支えられ展開されていることを本当に嬉しく思う。

Welcome to Walkure World。
ワルキューレの公演はいつも、この歌詞を持つ曲「恋! ハレイション THE WAR」で締め括られてきた。公演1回1回はその場限りのナマモノで、必ず終わりがやってくる。しかし同時に始まりを感じさせるこの雰囲気が好きだ。この歌詞を聴くと瞬間完全燃焼すべく挑んだイベントの数々を強く思い出す。
劇場版では「Dancing in the Moonlight」がこの歌詞を採用していて、スタッフロールであるにも関わらず始まりを予感させてくれる。

本当の最後がどこになるかはわからない。ただそれがどこであろうとも、”今”をただ全力で前へ走り続けたワルキューレ。その力強さを信じてここまで来た。
歌の力が導く先は、横浜への女神の歌声の再臨。その日は、もうすぐそこまで迫っている。

横浜に女神の歌が響き渡った日──Walküre 2nd LIVE「ワルキューレがとまらない」

1月 30th, 2017 No Comments »

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▼【前回記事】今再び始まる、共に成長する物語──Walküre Attack!(2016/08/14)
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初めて「いけないボーダーライン」を聴いた時。
その声が収録時14歳という、マクロスシリーズ歴代最年少歌姫の声によるものと知った時。
とてつもないことになる予感を覚えた。

そして川崎のフリーライブで驚異の歌唱力を目の当たりにし、1stライブツアーでは5人によるノンストップかつ複雑なコーラスワークが織りなす圧巻の歌声とパフォーマンスの直撃を受けた。
あまりにも強烈な印象。その上で2ndライブに行かない等という選択肢は到底ありえない。
ワルキューレを信じて横アリに来たのだ。



1日目。
会場に入るとステージはWの形に階段が組まれている。上を見れば照明の鉄骨もWの形になっている。
前中後と3つに分割されたセンターブロックで、席は後方センターの前から2列目真ん中。ステージから近いとは言い難いものの、横アリ自体そこまで大きさを感じる施設ではない。見る分には特に問題はなかった…が、開演間近となった時スタッフが柵を観客席側に寄せ、コの字型に幅広の通路が形成される。その幅広通路からの距離は約3~4m。
1stライブツアーではzeppという会場の都合、トロッコはなかったのだ。マジか。マジなのか。


間もなくステージは開幕を告げる。「ヴァールシンドロームを抑えるためのワクチンライブとして地球にやってきた」というコンセプト自体は、前回と変わっていない。作中同様美雲とフレイアによるダブルセンターが歌唱力をもって体現されていることも、また全員がCDと同じコーラスワークをそのまま織り上げるのも変わりない。今回ライブタイトルが「ワルキューレがとまらない」となっているが、そのステージングがほぼノンストップであることも前回時点で既に完成されていたものである。
過去にワルキューレのライブに参加したことがなければ、これらの要素だけでまず度肝を抜かれることだろう。去年の8月の自分がそうだった。だが今回はそこから先へその全てが、大幅にパワーアップしていた。

まず楽曲数、公演時間は共に前回の1.5倍以上となった。セットリストは挨拶を兼ねた「ようこそ!ワルキューレワールドへ」から始まり、直後「Hear The Universe」で一気にトップスピードへ。そのままの勢いで、2クールアニメにしては異様に多い歌曲群のΔオリジナルに関しては殆どを披露している。特に序盤においてはエースボーカルJUNNAちゃんにかかる負担のキツい曲が続いたが、それでも彼女は全くブレることもなく歌い上げ続けた。なんということか。ポテンシャルが恐ろしいどころではない。
若干増えた気がするMCも本当に若干でしかなく、かなり少ないことには変わりはない。休む暇は殆どないようなものだった。そして休めないのは観客や演者だけではない。今回は西脇辰弥氏をバンマスとした4名による生演奏が加えられており、歌曲がノンストップで進行するということは演奏する側までもが休めないということだ。正気の沙汰ではないとまで言われるコーラスワークが難しければ、これを生演奏で行うことも強烈に難しい。
そんな圧倒的なパフォーマンスが開幕から繰り広げられていく。

ライブは幾らか進み、中盤ではスクリーンにハインツが映し出され、高らかな歌声が会場に響き渡る。
ワルキューレメンバー着替え中の演出かと誰もが思っていただろう。しかしそんな生ぬるい展開で済むわけがないのがワルキューレ2ndライブ。なんとハインツの歌を担当するメロディー・チューバックさん本人が登場した。キャラクタが映し出されている時からずっと生声だったのだ。あれって本当にそのままあの声なんだな…と思わず聴き惚れる。
トロッコは途中、ワルキューレ全員・マキナ・レイナ/マキナ・フレイアで計4回ほどやって来た。センターとは言え後方だった席が一瞬にして神席へひっくり返る。あの圧倒的歌唱力を備えた5人が目の前に。大阪まで遠征したあの時よりもっともっと近く。夢かと思った。大変な席を引いたと思った。

そのまま駆け抜けアンコール。アンコール前の掛け声が長引かない内にハヤテ役内田雄馬さんとミラージュ役瀬戸麻沙美さんが登場し、場を必要以上に盛り上げやっぱり休めない。インメルマンダンスも披露する旺盛なサービス精神だ。
そんな一幕の直後、会場のボルテージは更に突き上げられる。中島愛さんが登場、フレイア&ランカ・リーによる星間飛行デュエットが実現したのだ。実は「もしかして中島愛さんが来るのでは?」との予想はチラホラ聞こえてはいたものの、願望めいたものであり本当にやって来るとは自分は正直思っていなかった。憧れの人とのデュエットは声質も息もぴったりだった。
歌ハインツに留まらないサプライズ、これがワルキューレ2ndライブ。初日から何ということをしてくれたのだ。
泣いた。


全28曲約3時間半。余りにも強すぎるパワーとセットリストに1日目でこちらの喉は半壊。もちろんAXIA披露後はありったけの声で「メッサーー!!」と叫んだりもした。

夢のような時間があっという間に過ぎる。でもまだ明日がある。
元々この2ndライブは1日日程だったところが拡大され2日目が用意された経緯があったが、正直1日目でサプライズを出し切ってる感さえあった。明日はゲストどうするのだろうか。これ以上があり得るのか。出るなら誰が?
期待を胸に横アリを後にする。


▼1日目セットリスト
01.ようこそ! ワルキューレ・ワールドへ
02.Hear The Universe
03.不確定性☆COSMIC MOVEMENT
04.NEO STREAM
05.Absolute 5
06.LOVE! THUNDER GLOW
07.いけないボーダーライン
08.ジリティック♡BEGINNER
09.おにゃの子☆girl
10.Silent Hacker
11.ワルキューレのバースデーソング
12.God Bless You
13.風は予告なく吹く
14.涙目爆発音
15.AXIA~ダイスキでダイキライ~
16.GIRAFFE BLUES
17.オーラ・サーラ~光る風~ (GUEST:メロディー・チューバック)
18.ザルド・ヴァーサ~決意の風~ (GUEST:メロディー・チューバック)
19.僕らの戦場
20.Walküre Attack!
21.破滅の純情
22.絶対零度θノヴァティック
23.一度だけの恋なら

En1.星間飛行 (GUEST:ランカ・リー=中島愛)
En2.ワルキューレがとまらない
En3.愛・おぼえていますか
En4.恋! ハレイション THE WAR

WEn.ルンがピカッと光ったら





2日目。
前日の公演内容を知ってか、始まる前から会場の熱気とテンションが非常に高い。席はセンター中央ブロック通路真横。トロッコまでの最接近距離は昨日から更に半分。
この日は同行者がおり、また2日目だけ参加の知人が何人か居るのを知っていたので彼らのためにも一切ネタバレは控えていた。歌唱力から何から何まで、純粋に楽しんで欲しいため。

1日目でもかなり高かった会場のテンションは、2日目は序盤から振り切れていた。メロディー・チューバックさんはこの日もゲスト参加。同じく2曲を披露する。が、13曲目まで変更のなかったセットリストがここで変わり、14曲目で涙目爆発音が飛ばされたことに違和感を覚える。順番を入れ替えただけか?
JUNNAちゃんが単独で出て来て星の歌を歌い始める…と思ったら、その後なんと声の美雲を担当する小清水亜美さんが登場、ここにW美雲の歌唱が実現してしまった。小清水さんは美雲同様に青いメッシュを入れる気合の入れ方である。

「こんなのありかよ…なんだそれ…」と狼狽えるも束の間、ストーリー上美雲と入れ替わる形でワルキューレを脱退しOBとなったクレアこと日笠陽子さんまでもが飛び出して来た。衣装は現ワルキューレメンバーとお揃いだ。
そのまま歌いだした。さっき飛ばされていた涙目爆発音を今日はクレア入りの4人で披露する。日笠さんも他3人と息があった振付を見せる。この1曲のために衣装が用意され、振付の練習をしたというのか。本当に意味がわからない。
これには完全にやられた。あまりのサプライズに、自分はその場に崩れ落ちた。


アンコール前では昨日の2人とは違って、空中騎士団の面々が登場。
「おのれワルキューレ!」とか言いつつちゃっかりTシャツはワルキューレであり、応援までする始末である。面白すぎてとても休ませてなどくれない。
ここでひとつ書いておかねばならないことがある。1日目と2日目でアンコールの掛け声が変化していた。1日目はアンコール前が「アンコール!」で、Wアンコール前が「もう1回!」。2日目は「アンコール!」と「ワルキューレ!」に変化していた。

マクロスFとの大きな違いに、今回はユニット名が最初から付いているという特徴がある。登場人物が何かする、ではなくユニット名を設けられているということはそれが話の軸になっているということだ。この存在は非常に大きく、TVシリーズ最終回のサブタイトルも「永遠のワルキューレ」となっている。マクロスΔはロボットものという伝統を維持すると同時に、ワルキューレを軸にした物語なのだった。
そのユニット名をみんながコールしている。ユニット名がつけられた意味を観客が形にしている。最高だった。
残りの歌曲も5人は万感の思いを込め歌い上げる。今後の展開を発表し、2日間に渡る全行程が終わった。
喉は全壊に近い状態となっていた。


▼2日目セットリスト
01.ようこそ! ワルキューレ・ワールドへ
02.Hear The Universe
03.不確定性☆COSMIC MOVEMENT
04.NEO STREAM
05.Absolute 5
06.LOVE! THUNDER GLOW
07.いけないボーダーライン
08.ジリティック♡BEGINNER
09.おにゃの子☆girl
10.Silent Hacker
11.ワルキューレのバースデーソング
12.God Bless You
13.風は予告なく吹く~Freyja Solo~
14.AXIA~ダイスキでダイキライ~
15.GIRAFFE BLUES ~Kaname Solo Requiem~
16.オーラ・サーラ ~光る風~ (GUEST:メロディー・チューバック)
17.ザルド・ヴァーサ ~決意の風~ (GUEST:メロディー・チューバック)
18.ルーチェット・アルカーン ~星の歌~ (GUEST:美雲Δ小清水亜美)
19.涙目爆発音 ~with Claire~ (GUEST:クレアΔ日笠陽子)
20.僕らの戦場
21.Walküre Attack!
22.破滅の純情
23.絶対零度θノヴァティック
24.一度だけの恋なら

En1.ワルキューレがとまらない
En2.愛・おぼえていますか
En3.恋! ハレイション THE WAR

WEn.ルンがピカッと光ったら



紛うことなきスーパーライブであった。
ワルキューレの5人が一堂に会したのは2016年の3月だったそうだ。そこから5ヶ月であの衝撃の1stライブツアーを成功させ、10ヶ月でこのスーパーライブを両日成功に導いている。
あの5人の歌唱力とパフォーマンスは本当に凄い。昨今、キャラクタを演じる方がそのままライブを行うハードルが上がり続けていると感じるが、その上限値を更に押し上げてしまったとさえ言える。初めて聴いた時に感じた可能性は、思っていたより遥か上空へと飛んでいった。そして今回はそれを支えるバンドやゲストまでもがあまりにも強力過ぎた。

ワルキューレの集大成ここにあり。このスーパーライブを大成功に導くまでの彼女らの成長を、都度都度見ることが出来たのは幸せ以外の何でもない。
ワルキューレを信じて大阪に飛んだし横浜にも来た。そして信じた以上のものをまた見せてくれた。
可能性を信じて本当に良かった。



今回2日目の模様は映像収録されており、後日単独で円盤化されることが発表されている。1stライブツアーはダイジェスト版ながら、3月のTVシリーズ円盤9巻に収録されることも発表済だ。
安野さんが言ったように、確かに熱そのものは会場に居る人達でしか共有出来ないものかも知れない。しかし映像から飛び出るパワーに何かを感じることは出来る。
初代から30年以上を経てなお、時代の先端にあり続けるマクロス。最新世代にのしかかるプレッシャーは想像を絶するものだろうに、それでも今まで以上を体現していくワルキューレ。

銀河最強、ここにあり。その凄さを円盤を通じて感じて頂きたいと思う。
女神の歌は確かに実在したのだ。

今再び始まる、共に成長する物語──Walküre Attack!(2016/08/14)

8月 18th, 2016 No Comments »

■マクロスポータル
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■戦術音楽ユニット・ワルキューレ 1stLIVE in zepp「Walküre Attack!」
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▼『マクロスΔ(デルタ)』関西でワルキューレが大熱唱! 1stワクチンライブ&CD発売記念イベントより公式レポート到着
http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1471239073

2016年8月14日。東京有明はコミックマーケット90の最終日。
そんな日に大阪へ遠征を決めることに悩みは殆どなかったと思う。マクロスの歌姫は作品と共に成長することを知っているからだ。

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遡ること8年前。
マクロスF放映中の2008年5月、歌シェリルことMay’nさんは浜松町文化放送サテライトプラスでミニライブを開催。元々歌手活動経験があり、その歌唱力で強烈な印象を振りまいていたことを受けて、このミニライブはサテライトプラスイベント史上最高の集客を記録した(当時)。そこそこ前の方で見れたけど大変な人出だったことをよく覚えているし、今でも浜松町に行くとあの時のことを思い出す。一方ランカ役として5000人のオーディションを勝ち抜いた中島さんはインストアイベントからスタートし、本当にミカン箱の上に立って歌っていた。
それから5ヶ月。TVシリーズ放映を経てギャラクシーツアーFINALが開催されるまでに、中島さんはかなりの努力をした。パシフィコ横浜でステージに立つ2人はそれぞれ違った魅力を持つ同格の存在として確立され、これが超時空シンデレラかと思わせるだけの物語をアニメ内外で体現し、体験させてくれたのである。

マクロスFはその後何度もライブを開催するほどの人気となる。しかし “共に” 成長するリアルタイムでライブ感のある体験としては、放映当時および放映直後だったギャラクシーツアーFINALまでになるだろう。それと同じことが8年ぶりに帰って来ている。今マクロスΔはTVシリーズ放映の真っ最中で、共に成長する体験は放映期間中である今しか出来得ない。
公演の中では自宅から最も遠かったが、遠いも近いも関係はなかった。

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さて、マクロスFがライブ前にイベントを行っていたように、マクロスΔも5月にイベントを行っている。それがラゾーナ川崎でのミニワクチンライブだ。上の写真がその時の開演直前の様子であるが、マクロス人気がFを受けて今の世代にも繋がったこともあり、この日は3000人位いるのではという凄まじい集客となった。そこに歌美雲・JUNNAちゃんとフレイア役の鈴木さん2人だけを立たせる、というのは素人目に見てもかなりキツい。2人とも商業デビューはマクロスΔが初めてだし、こんな大勢を前に頼るベテランがステージにいない。

そのような展開だったので、やはり最初は2人とも緊張してしまって思ったように声が出なかったようだ。だが持ち前の度胸で早々にJUNNAちゃんが立ち上がる。CD収録レベル以上を生で出せている15歳という衝撃は相当なものであった。どうか想像して欲しい。本当に目の前であのままなのだ。
つられるように鈴木さんも調子を取り戻していく。そしてこの美雲がフレイアを引っ張り上げる構図は、TVシリーズ序盤に近い構図でもあった。作品中では話が進むにつれ、引っ張りあげられるフレイアから美雲とのダブルセンターに立ち位置が変わっていく。8~9月に控えるライブツアーでも果たしてそのようになっているのか。個人的な注目はそこにあった。



ようやく本題に入る。2016年8月14日大阪公演。
圧巻であった。5人揃った初めてのステージはライブの完成度的にも観客の盛り上がり的にも大成功だったと言い切って良い。
2曲目で鈴木さんが登場して歌い出した時、これを待っていたんだ! これを見るために大阪まで来たんだ! と確信した。鈴木さんがかなり上達していたのである。元気と明るさはそのままに力強さと自信が備わって、美雲とのツートップが目の前で具現化されていた。川崎のような立ち上がりの弱さもない。ライブは序盤からしてフルスロットルで盛り上がって行く。

しかし何か様子がおかしい。全然休まない。
最初にキャラクタとしての自己紹介はあったものの、中の人としての紹介はおろか間にMCすら挟まない。歌い慣れ踊り慣れしているグループならともかく、(5人としては)初めてのライブなのに休みを挟もうとしないのはおかしい。
3曲目ですらMCが入らない時点で気がついた。歌をやめるとヴァール化が進行してしまう。だから歌い続けなければいけない。ヴァール化を鎮圧させるために地球にやって来たという、そのコンセプトに徹しようというのだ。
言うほど簡単な話ではない。振付も川崎時点では「それっぽい」感じでしかなかったのに対しワンマンライブでは東山さんを軸にきちんと仕上げて来ており、その上でコーラスワークを5人とも全く崩さない。このコーラスワーク、当初ライブ用に簡略化するつもりだったようだが、5人のたっての希望によりCD通りの再現としたそうだ。技術体力どちらを見ても厳しい中で力強さを失わず進行させていく様子に、確信は驚嘆へと変化していく。
ステージへの投影映像も作中のものを巧みに織り交ぜていく。特にAXIAではメッサーが死に至るその瞬間までを映像で流しながら手前でカナメ役の安野さんが歌い上げており、きっとあの瞬間は演者にも観客にもメッサーが見えていたことだろう。

そうして10曲ほど(!)一気に駆け抜けたところで、衣装チェンジのためか舞台から一旦下がる5人。するとそこへ間髪入れずにウィンダミアが強襲・宣戦布告し、4名登場するダンサーが怪しい動きと風貌でヴァール化の進行を演出する。ポイントはセリフで全然説明していないことだ。Δの歌と劇伴、そして踊りで演出していく様子はミュージカルっぽさがあり、このような合間の時間すらコンセプトに徹し全く無駄にしないのは恐れいった。早くワルキューレ戻って来てくれ、早くしないとヴァール化が一気に進行してしまう。
戻って来てからが凄かった。アンコール手前に並ぶ5曲、これらをまた一気に歌い上げる。勢いに乗った状態で受けるJUNNAちゃんの歌声はあまりにも凄まじく、zeppという箱では勿体ないような気さえするほど。しかしそれでも鈴木さんの追い上げ方が何より際立つ。一緒に立つ人がこの人だからという力が彼女たちを前へ上へと導き、途方もない可能性の扉を開いていく。
中の人としての自己紹介はアンコールでステージに戻って来てからとなる。実に2時間近くを経過しての自己紹介だった。



最後にスクリーンに表示された「鎮圧成功」の文字。
コンセプトに徹していたのは非常に気持ちが良かったし、観客もこのライブがヴァール化鎮圧を目的としていることをちゃんと理解していた。だから客層が往年のファンから若い女の子までかなり幅広くても、一致団結して大体同じ方向を向いて盛り上がれていたし、声の揃った爆発力の凄い歓声になっていたのだと思う。マキナ役の西田さんは音程こそ全く外さないながら緊張から序盤で声量に苦労しつつも、中盤前にはそれも払拭。5人が全員CD音源以上の実力をステージ上で発揮するに至っており、正直鎮圧どころかパワーが凄すぎて歌で死にかねないようなライブだった。
地球最初のワクチンライブと、この熱量を目にすることが出来て本当に幸せだった。


名古屋や東京、追加公演のチケットを取れている人らは期待して良いと言い切る。また今回、倍率の高さにチケットが取れていなくても今後5人で歌う機会があったらぜひ見て欲しい。そしてJUNNAちゃんの歌声の力強さに度肝を抜かれ、鈴木さんの伸び代に驚愕し、5人のチームワークとハーモニーを体験して欲しい。彼女らの歌声はCDなど音源化された際にある程度スポイルされてしまっている。本当の力強さは生でないとわからない…そういうものを秘めた5人だからだ。
あの力強さは印象が劇的に変わるだろう。

今まさに新世代のマクロスが、歌姫と共に成長している。その様子をまた見ることが出来て非常に嬉しい。2ndアルバムも発表され、2ndライブがあることに期待したい。
可能性の空は無限に広がっている。

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▼大阪公演セットリスト
01.恋! ハレイション THE WAR ~without Freyja~
02.不確定性☆COSMIC MOVEMENT
03.僕らの戦場
04.NEO STREAM
05.ジリティック♡BEGINNER
06.おにゃの子♡girl
07.Silent Hacker
08.God Bless You
09.AXIA〜ダイスキでダイキライ〜
10.GIRAFFE BLUES
11.いけないボーダーライン
12.Walkure Attack!
13.破滅の純情
14.絶対零度θノヴァティック
15.一度だけの恋なら
16.ルンがピカッと光ったら
En.恋! ハレイション THE WAR

想いが導いた場所 ~ μ’s Go→Go! LoveLive! 2015 DREAM SENSATION!

2月 6th, 2015 No Comments »

前日に雪が降っていて「今年もか」と思うも、ライブ当日は見事な晴れ模様が広がる会場上空。
4回目のワンマンライブでさいたまスーパーアリーナという、途方もない挑戦だった去年。そんな不安を天候が象徴しながらもパワーで吹き飛ばしたのがあのNEXTライブであったなら、天候に極めて恵まれた中で開催された今年は「今はもうそんな所を問題にしているのではない」とでも言っているかのようだった。

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扉をくぐり中に入ると、μ’s史上最大のステージングがそこには展開されていた。
メインステージ正面に巨大垂直スクリーンがある。これ自体はなんら普通だが、そのすぐ左右に全く同じ大きさの垂直スクリーンがメインステージ上に並んでおり、更に鏡面加工されスクリーンとしても機能する斜めに設置された4つ目がその手前に存在した。4つ目も横幅は他3つと同じで、演者がスクリーンに囲われている度合いは今までと全く比べ物にならない。μ’sと言えば1stライブから、スクリーンひとつの真下で演者9人がアニメーション完全再現もしくはそれ以上のクオリティでシンクロパフォーマンスをする2次元+3次元=2.5次元感をウリのひとつとしてきた。そもそもそれ自体が演者にかなりのプレッシャーを与えているにも関わらず、今回はそこを強烈に強化しようというのである。
スクリーンひとつをとって見ても、今までで最も大きい。映像面において大きさというのは大きいという只それだけで力を持つもので、過去と比較にならないものを背負いながら立ち向かえるだけのエネルギーが今のμ’sに備わっていることを、スクリーンがその大きさで物語っていた。

スクリーンの持つ力は開演直後からその真価を発揮する。4つ目の斜めスクリーンを丸々水面を表現するために使用し、アニメ1期OPやアニメ2期での全国大会本選会場を再現する。そしてスクリーンの上を、9人を乗せたままリフトが斜めに移動し始める。彼女たちが水面に立っている…本当に一瞬そう見えた。大幅に強化されたセットによる演出やギミックが2次元サイドと3次元サイドの融合をかつてなき力強さで推進していくその様は、μ’sの登場するライブを何回も現地で見ているはずの自分にさえ圧倒される光景であったことを、1日目の1曲目から思い知らされることとなる。ダンスに強いμ’sのライブはその持ち味をそこに甘んじる事なく、次のレベルへと昇華させていた。
巨大スクリーン群はその後も様々な魅せ方を繰り出していく。「もぎゅっと “love” で接近中!」では垂直3スクリーンをそれぞれ3分割して9人を映し出す。最初は2次元、その後はカメラ9台を各演者にそれぞれ向けての計9分割。垂直スクリーンひとつで出来なくはないが、やや狭くてスクリーンの迫力は死んでしまうだろう。3つ同じ大きさを並べた意味が最もあったのは恐らくこの曲になるだろうと思う。

また、今回はカメラの追従が事前に恐ろしい精度で調整されていた事も記しておきたい。元からアニメーションとのシンクロパフォーマンスがウリであったのだからカメラもそれを意識したものにはなっていたが、生の公演を捉えるカメラじゃ限度があるよねという面があったのは正直否めない。しかし今回は、編集済である過去ライブBDよりも今ここで生で見ているカメラの移動やスイッチング精度の方がクオリティが高いという異常事態が起きていた。よほどカメラまわりに力を入れた計画を立てなければこんなものは成立しないし、カメラの追従だけで感動するライブ自体がそう数あるものでもない。
贅沢というレベルでは済まないほど綿密に計算されたステージングとその規模が、今回のGo→Goライブを象徴する一面であった点は間違いないだろう。これがあってこその、かつてない夢の2.5次元に融合される空間の実現。ライブが終わって何日経っても目頭が熱くなったりしてなかなか帰って来られない人が周囲に多発しているのも、ある意味当然ではあるのかな、という気がしている。自分とて例外ではない。

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「今回は今までと違う」点というのは、セットリストからも思い知らされた。
構築されたセットが全国大会本選会場を再現したものであるなら「KiRa-KiRa Sensation!」からの「僕らは今のなかで」という2期クライマックスの再現をするものだろう、というのは容易に想像が出来るはずが、「僕らは今のなかで」は1日目の2曲目で早くも使われてしまい再現されない衝撃が走る。更に特別な曲として終盤への位置づけが半ば固定化されていた「Snow halation」が全体の2/3辺りと遥かに早く登場する動揺や、ワンマンライブ1日分としては初となる「ナンバリングシングル6曲全ては披露しない」など、明らかに “崩し” にかかっている点が随所に見受けられた。全ての始まりとなった「僕らのLIVE 君とのLIFE」でさえ1日目で使用されていない。一方で2期挿入歌に関しては1期終了直後であった3rdライブ同様にアニメと同じ登場順を守っており、どこまでが今まで通りでどこからが今までと変わるかの緊張感が、2日目終盤まで続いていく。

この “崩し” は必然だったのかも知れない。膨大な曲数を誇るラブライブ!というコンテンツにおいて今までがそうだったからと流れを頑なに変えなかったら、次々に登場する新曲が割を食うだけでなく、また先を読めてしまう事は必ずしも良い方向に寄与するとも限らない。彼女らは歌っていたではないか。壁は壊せるものだと、倒せるものだと。
ただし、崩しただけで終わらせないのもまたμ’sだった。1日目で披露されなかった「僕らのLIVE 君とのLIFE」「夏色えがおで1,2,Jump!」は、2日目の2~3曲目に登場。3曲目は1日目と2日目でセンターキャラが異なっており、照明を落としたシルエットの段階で会場がどよめいた。散々披露された既存曲であるにも関わらずである。
そして1日目で早々に使用されてしまった「僕らは今のなかで」は2日目で温存され、アンコール前に「KiRa-KiRa Sensation!」アンコール後に「僕らは今のなかで」の流れがここで遂に実現。アニメがアンコール間で着替えていたのと同様、ライブでの演者も衣装をチェンジ。そのために演目間のPV上映まで両日で内容が差し替えられていた。PV上の衣装変更後のシーンは恐らく数秒と無かったはずだが、ここに至るまで2日で計8時間近くをもって遂に解放されたカタルシスは決して忘れない。この後、ワンマンライブ史上初のダブルアンコールというサプライズさえも待っていた。

定番の崩しと溜めからのカタルシス、期待と不安の交錯具合は見事というしか他ない。1日目と2日目では楽曲のほぼ半分が差し替えられている。
しかしこれを今のμ’sが、両日とも4時間オーバーという長時間ライブで、メンバーの平均年齢も20代半ばを超えたかといった中で、それでもアニメーションとシンクロさせる凄まじい運動量を維持したままで対応するというのは「並大抵ではない」という表現では到底おさまらないほどの、一体どれだけの想像を絶する努力と練習があったことか。「倒れるかも知れない」と南條愛乃さんがMCで語っていたのは誇張でも何でもなく、本当にそういう状態だったのだろう。
「この9人でなければ出来なかった」という言葉の裏に繋がる絆の強さ。その絆が、この大舞台で彼女たちをライブの最後まで引っ張り続けた。

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綿密に計算された圧倒的な規模による演出、そして今まで以上の演者本人らの努力に裏打ちされたパフォーマンスにより強力に推進された2.5次元への融合は「Love wing bell」で真骨頂を発揮し、決定的なものとなる。
そこに居たのは飯田里穂さんでもなく星空凛でもなく、飯田凛としか言いようがない存在。これほど完璧なものがあるのかというほど2期5話そのもの。そんな存在をタキシード姿に身を包んだ5人が見守り、その中から久保ユリカさん演じる小泉花陽がエスコートし、センターステージへ向かう。これにはもう完全に参ってしまって、ライブのMC中に感動で泣いたのは今までも経験した事があっても、曲の最中に泣いてしまって声が本当に出せなくなるという経験を初めてした。日頃そんなに感極まって泣くタイプではないだけに、そんな自分に自分が驚く。でも涙は止まらない。友人の中にはブレードを振る事さえも困難なほど泣いてしまった人もいたと後で聞いた。

全てが高度に完成され融合されていなければ、出るはずのなかった涙。
これらを支え貫く骨として、全ての歌詞を畑亜貴さんが手掛けている事も今更ながらにその偉大さを感じる。今を前向きに生きる的なテーマで書かれる事が多いラブライブ!の歌詞は逆行性のないライブにも通ずるものがあって、アニメや歌を通して感じたことと今自分がリアルタイムで感じていることが心の中でごちゃごちゃにかき混ぜられる。
当たり前だがライブで歌詞は変わったりしない。元々その歌詞はそこにあって演出で増幅されただけに過ぎず、これだけ引っ張りだしても尚衰えることのないポテンシャルがラブライブ!の歌詞には元から存在していたことを、涙が教えてくれた。

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ライブとは、好きの再確認と知らなかった部分の新発見であると思っている。その点に関しては余りにも想像以上のリターンがあったには違いない。自分でラブライブ!が好きだとは意識していても、ここまでとは思っていなかった。
ただ、一方で忘れ物も。ライブが終わったら日常に戻るという、その切り替えるスイッチをどうもさいたまスーパーアリーナに置いてきてしまったらしくて、セットリストに沿って曲を聴き直したり脳内で再生されるたび、どうしても目頭が熱くなる。それが仕事中であっても、1週間近くを経た今でも。

夢の空間だった。DREAM SENSATIONのサブタイトルに偽りも誇張も全くなかった。
もう1回、日常にきちんとスイッチさせる方法をちゃんと作り直さないといけない。でも、ラブライブ!はまだ終わらない。更にこれ以上を目指すとして、次回ライブが会場で予告された。
次こそは本当に帰って来れなくなるかも知れない。でも、それでもいいかと思う。物語の力と人間自身の努力が生み出す熱量が心を底から揺さぶるのを知っているのなら、知らないまま過ごす人生よりかは、よほど幸せなはずなのだから。

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2日間で唯一楠田さんのためだけに1回だけ使われたリフトの話、楠田さんのダンス経験が生き映えに映えた「Dancing Stars on me!」、久保さんが「ご飯炊けたよー!」と炊飯器を掲げただけで驚異的な盛り上がりを見せた「好きですが好きですか?」、「Love wing bell」を終えてメインステージに戻る6人を逆光で捉え神々しいまでの映像を届けた撮影チーム、最終的にスタジアムのAゲートからBゲートまで殆ど繋がるほど届いたフラスタ、いつも気丈に振る舞う三森すずこさんが1日目最後のMCで見せた感極まる表情、3周も4周も周ったゴンドラ移動でファンと接近した時に互いが見せた今が最高という笑顔、μ’s初の七色に輝く電飾衣装で派手に暴れてから一転、凍りつくような青と白の輝きと随所で静止する振りをもって冬を一瞬にして体現させたBiBiの「冬がくれた予感」、コール&レスポンスの間を完全に掌握しアニメとファンが直でやりとりしている錯覚さえ覚えるほど良く出来ていたアンコールPV…。書きたい事は山ほどある。
書き切れる気もしないので、今直近の心境としては(打ち上げ的なものが今回はあまり出来なかったので)参加した友人らともっと話がしたい。

ありがとう。このライブを終わりまで導き支えてくれた、全ての人たちへ。